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オリンピックは儲からない。それでも開催するべき理由 飯田泰之×猫組長

3度目の緊急事態宣言下、五輪が2か月後に迫るなか、ゲームチェンジャーとして期待の高まるワクチン接種は一向に進まない……。日本を広く覆うこの閉塞感を打破する術はないのか? 元経済ヤクザと気鋭の経済学者による緊急対談を実施した。

オリンピックは儲からない。それでも開催するべき理由

 ワクチン接種の遅れで、日本ではコロナ不況の長期化が懸念される。一方、株価は好調で、持てる者と持たざる者の差は広がるばかり。先進国のなかでも“独り負け”の様相を呈している日本が、V字回復する道はあるのか? 早い梅雨を予感させる5月中旬、対談は行われた。
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投資家・猫組長(左)、経済学者・飯田泰之

猫組長:コロナ禍における菅内閣の経済対策ですが、規模自体は世界最大級ですよね。先生はここまでどう評価されていますか。 飯田:人口比で見たら、財政出動規模は世界トップクラス。でも広く浅くカネをバラまいただけで、あまり効果を生んでいない。結局、10万円の特別定額給付金は、消費には1~2割程度しか回っておらず、経済対策としての実効性は乏しかった。収入が急減した人の家賃やローン支払いの決済政策としては有効でしたが、景気刺激策としては非効率的と言わざるを得ないでしょう。 猫組長:本当にお金が必要な人に届いていない。 飯田:そうです。’08年のリーマンショックはある程度広く経済にダメージを与えましたが、コロナショックは違う。飲食や観光業、アパレル業界など、2割の人を地獄に叩き落としたけれど、残り8割の人はそれほど大きなダメージは受けていない。2割を救うため、対象を絞った政策が必要なんです。 猫組長:今後はわからないけれど、確かに現状はそうですね。

GoToは時期が悪すぎた

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緊急事態宣言の延長を発表する菅首相。「コロナ対策が後手に回るのは、対策を優先し、解散を先送りした影響が大きい」(飯田氏)写真/時事通信社

飯田:一方、非難ごうごうだったGo To事業は、経済対策としては非常によくできていた。トラベルの場合で言うと半額補助ですから、1億使えば、単純に倍の2億円の経済効果が生じるわけです。 猫組長:ただ、Go Toの場合、やった時期が悪すぎた。そのへんも含めて菅政権の打つ政策はどれも中途半端なものばかり。なぜそうなるのか。 飯田:ひと言でいえば、まだ総選挙で勝ったことのない弱い政権だから。これは昨年9月、総理に選出された時点で即解散総選挙に打って出なかったことに尽きます。 猫組長:政権発足時の支持率が歴代3位の74%。あのタイミングだったら確実に自民党は圧勝できたし、そうなれば菅首相は、安倍前首相のように絶大なパワーを握ることができたでしょう。 飯田:それができなかったから、周囲の顔色を窺って、反対が出にくい政策ばかりを選ぶようになってしまった。
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景気回復も五輪もコロナ収束が大前提
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