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12月8日はジョン・レノンの命日。“ラヴ&ピース”は死なない、もし君らが望むなら

おかしな世の中を変えようとしない一人一人に責任がある

アビイロード この曲が出て2年後、アメリカはベトナムから撤退。さらに2年後、サイゴンが陥落してベトナム戦争は終わった。だがその後も悲劇は終わらず、祖国を逃れようとするボートピープルが南シナ海で大勢犠牲になる。枯れ葉剤の影響も残った。戦争は終わっても戦禍は続く。そしてアメリカはその後も世界中で戦争を引き起こしている。  僕たちはこれを日本のことに引き直して考えるべきだろう。無関心は罪だとしたら、まず世の中で起きていることに関心を持つようにしたい。世の中がおかしいとしたら、それを変えようとしない僕たち一人一人に責任がある。ただ「変えよう!」と主張を叫ぶのではなく、みんなが共感してくれる方法で賛同してくれる人を増やさないと、世の中は変わらない。今の日本にも当てはまるじゃないか。  ジョンは人の心に刺さる方法で“ラヴ&ピース”を訴えた。「愛と平和」。これを真っ正面から照れもせず歌って、それが様になる。そんなの、ジョン・レノンをおいて他にいない。実際にはジョンは「愛と平和」ばかりを歌っていたわけではなく、「平和の使徒」みたいな扱いは彼も望んでいなかったかもしれない。でもハッピー・クリスマスのためには、みんな無関心でいてはいけないよ。世の中で何が起きているか関心を持とう、というメッセージは永遠だと思う。  “ラヴ&ピース”を歌ったジョンは41年前に死んだ。でも“ラヴ&ピース”自体は死なない。もし君らが望むなら。 文/相澤冬樹
無所属記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『真実をつかむ 調べて聞いて書く技術』(角川新書)『メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』(文春文庫)、共著書に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(文藝春秋)など
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