12月8日はジョン・レノンの命日。“ラヴ&ピース”は死なない、もし君らが望むなら
―[取材は愛]―
12月8日はジョン・レノンの命日
きょう12月8日は、日本人にとって忘れてはならない日。80年前の日米開戦、真珠湾攻撃の日だ。(実は英領マレー半島への上陸戦の方が早く、日米より先に日英が開戦していたのだが)
だが世界の多くの人々にとって、中でもロックファンにとって、この日は別の意味付けがある。今もありありと思い出す。41年前、高校3年生だった僕は、下宿の自室で机に向かっていた。そこに、同じ下宿の友人で、僕にロックを教えてくれたNが血相を変えて部屋に入ってきた。
「お前、こんな時に受験勉強してるのか? ジョン・レノンが殺されたんだぞ!」
1980年12月8日は、ジョン・レノンの命日として人々の記憶に刻まれている。ビートルズのメンバーであり、偉大なるミュージシャン。そして“ラヴ&ピース”の呼びかけのもと、妻のオノ・ヨーコとともに行った平和活動でも知られる。
音楽面ではビートルズ解散後、ソロ活動を経て、しばらく息子の育児に専念していた。その主夫生活に区切りをつけ、5年ぶりに音楽活動を再開。妻オノ・ヨーコとアルバム「ダブル・ファンタジー」を出したばかりだった。1曲目の「スターティング・オーヴァー(再出発)」がクリスマス前の街に流れていた。世界がジョンの復帰を祝った。その華やいだ空気の中、ジョンはニューヨークの自宅アパート前でファンを名乗る男に銃で撃たれ、命を落とした。40歳だった。
もっとも、ジョンが殺害されたのはニューヨーク時間の8日夜で、時差があるから日本時間では9日昼過ぎになる。だから友人のNが僕の部屋に駆け込んできたのも9日の午後のことだ。でも世界的にジョンの命日は8日だから、日本でもこの日に合わせて写真展や番組の放送などさまざまな記念行事が行われる。
戦争が終わらないのは、みんなが本気で望んでいないから
ジョンの死後、「スターティング・オーヴァー」はチャートを駆け上り全米全英1位。ジョンのソロ最大のヒット曲となった。だけど僕はジョンの曲と言えば「マザー」や「イマジン」を思い浮かべる。中でも今なら時期的に「ハッピー・クリスマス」がふさわしい。
冒頭のヨーコとジョンのささやき声に続き「So this is Christmas」とジョンが歌い出す。メリークリスマスとハッピーニューイヤーのおめでたい言葉が並んだ後、いきなり「戦争」という物騒な単語がぶっ込まれる。
「War is over, if you want it」(戦争は終わるよ、もし君らが望むなら)
この曲は1971年の発表だから、アメリカはベトナム戦争の真っ只中。連日多数の戦死者を出していた。それをはるかに上回る犠牲がベトナム側に出ていた。だからここでいうWarは何より、具体的な目の前のベトナム戦争を指している。それは、みんなが望めば終わらせることができるよ。ジョンはそう歌っているのだが、この意味を裏返して考えるとどうなるだろう?
「戦争が終わらないのは、みんなが本気で戦争を終わらせたいと望まないからなんだ。だから犠牲者が出続けているんだよ」
そういう訴えのように思える。ベトナム戦争だけじゃない。すべての争いごと、人を不幸にする不条理は、みんなが本気で望めば終わらせることができる。終わらないのは、この国の一人一人の責任なんだ。「無関心は罪なんだ」という、告発の歌だと感じる。
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無所属記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『真実をつかむ 調べて聞いて書く技術』(角川新書)、『メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』(文春文庫)、共著書に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(文藝春秋)など
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