巨人を応援する阪神ファンの姿を見て思う「野党共闘」の難しさ/相澤冬樹
―[取材は愛]―
コロナの緊急事態宣言が明け、ちょっぴり賑わいが戻ってきた大阪の酒場。その一軒で僕はなじみのマスターや常連たちとアホ話を楽しんでいた。店のテレビにはプロ野球中継。いつもの光景だが、巨人が点を取った瞬間、虎キチのマスターが「よしっ」と声を上げたのは、いつもと違う。
「ちょっと、巨人を応援してんの?」
「きょうだけはな。相手はヤクルトやで」
この日は10月15日。阪神はセ・リーグ2位で首位ヤクルトを追っているが、ヤクルトにはすでにマジック6が点灯している。つまり阪神に自力優勝の目はなく、ヤクルトが負けてくれなければ優勝できない。
「きょうは阪神戦がないやろ。だからヤクルトを負かすように巨人を応援するしかないんや。『敵の敵は味方』と言うやんか」
なるほど、理屈はそうだ。でも僕はどうにも乗り切れない。大阪の阪神ファンは阪神を応援するだけじゃない。巨人が嫌いなのだ。プロ野球界に君臨するかのような巨人が。これは理屈じゃない、肌感覚だから、いくら「ヤクルトが負けた方がいい」とわかっていても、巨人相手だとついヤクルトが点を取った時に「よしっ」と言ってしまう。
「あかんあかん、ヤクルトが勝ったらあかんのや」
マスターは言うが、「敵の敵は味方」というのを理屈じゃなく感情で理解するのはなかなか難しい。……その時、ふと思った。これって選挙と似てるんじゃないか?
東京8区騒動に見る「敵の敵も敵」
選挙では、1+1は2にならない
無所属記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『真実をつかむ 調べて聞いて書く技術』(角川新書)、『メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』(文春文庫)、共著書に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(文藝春秋)など
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『メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』 森友事件スクープの裏側を、忖度なく書きつくす!!
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