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朝日新聞「天声人語」への“筋違い”の批判ツイート。原文、ちゃんと読んでる?

―[取材は愛]―

激しいツイートは筋違いだった

天声人語《朝日新聞、狂ったか  「天声人語」も地に落ちた  私なんかに言われてどーすんのよ。ってか、ひどすぎる。》  ツイッターにずいぶん激しい書き込みを見つけました。このツイート主さんと面識はありません。 「だいぶキツくやられてるなあ。まあ言論機関だからいろんな批判があるのは宿命だよね」  そう思って同じ方の次のツイートを見ると……。 《だって、与党と野党を比べたら、「野党におきゅうをすえるべき」って言ってんでしょ? もう、わざと何かを曲げて書いてるとしか思えないよね。》  うん? これって11月13日の「天声人語」(『朝日新聞』朝刊1面に連載中のコラム)のこと? そんなこと書いてたっけ? 確かめてみると、こうでした。 《衆院選でおきゅうをすえられたのは、与党ではなく、共闘した野党だったのかもしれない。》 スマホイメージ 別に『朝日新聞』の味方をするつもりはありませんけど、これは意味が違うでしょう。ツイート主さん、違いますよ。「野党におきゅうをすえるべき」とは書いてなくて、選挙結果から見て、共闘した野党が「おきゅうをすえられたのかも」と書いています。  もちろん「おきゅうをすえられたという表現は適切ではない」という批判はあり得ますけど、相手が書いてもいないことを「書いている」と言って非難するのは筋違いです。

怒りのあまり意味を取り違えた?

ネット書き込みイメージ このツイートに悪意はないと思います。ではなぜこんな誤解が起きたんでしょうか? 一つには、「天声人語」の趣旨が、衆院選で野党共闘が敗因だったとも読めるので、共闘を支持する人の強い反発を買ったのだと思われます。その思いのあまり、おきゅうを「すえられたのかも」という“分析”の言葉を、「すえるべき」という“主張”の言葉と取り違えたのかもしれません。  でもこれでは意味がすり替わってしまいます。それこそ「わざと何かを曲げて書いてる」ということになってしまいます。  それに「天声人語」を最後まで読むと、日々の地道な活動の大切さを語ったうえで「与野党伯仲も政権交代も、その先にしかありえない」と締めくくっています。おきゅうをすえる云々が結論ではありません。
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