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『鬼滅の刃』を見た東大生が考える「竈門炭治郎の成長が異常に早い理由」

▼伊之助タイプ:合理型

嘴平伊之助

嘴平伊之助

 嘴平伊之助は常に猪の面を被り、筋骨隆々、言葉遣いは粗暴で振る舞いも粗野。だけど中身は美少年というギャップにあふれた少年です。  彼の立ち振る舞いから見ると、「伊之助はひどく感情的な人間だ」と思われている方も多いかもしれません。しかし、僕はそうは思いません。むしろ、彼こそ「合理性の塊」とでもいうべき、作中屈指の合理的な人物なのではないかと考えています。  確かに彼の行動は一見、直情的に見えます。初対面の炭治郎と何かあったらすぐにケンカをしますし、挑発されるとすぐに乗っかるように見えます。『無限列車編』では列車を「この辺一帯をおさめる主」だと勘違いして突進してしまうなど、抜けているようにも思えてしまうかもしれません。  しかし、だからこそ「一度頭に血が上った状態から冷静になるまでのスピードの速さ」が際立つキャラクターでもあります。  実は、彼はそれなりに合理的な説明がなされれば、自分の感情を抜きにして判断を下すことができるという類まれなる才覚を持ったキャラクターなのです。この合理性は、成長する上でとても強力な武器になります。

適切なアドバイスであっても感情が邪魔をする

 そもそも、間違ったことを自ら進んで行う人なんていません。人は誰しも自分が正しいことをしていると思って行動します。ですから、「君のやり方、間違ってるよ」なんて言われたら、イラっと来るのも当たり前なんです。人の言うことを素直に聞くのは、感情が邪魔をするせいで大変難しい。  そこで役立つのが合理性です。ここでいう合理性とは「感情はいったん抜きにして、自分の方法と、受けた注意の内容は、客観的に見てどちらの方が正しそうだろうか」と天秤に乗せることができる力のことをいいます。  この力があると、「自分のやり方が間違っている」となったときに「でもやっぱりムカつく」と暴れる感情を抑えつけて、「わかりました」と応じ、自分の間違いを修正することが可能になります。  心の中で何を考えていようと、自らの間違いを正すことができる力というのは貴重です。感情を抜きにして考える才覚がある伊之助が優れた剣士になったのも当たり前だといえるでしょう。
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炭治郎が持つ「成長する人の特徴」
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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