お金

“お金の使い方を知らない”金持ちが幸せになれないワケ/上念司

じゃんけんで100回勝ちたければ、最低300回勝負すればいい

じゃんけん

写真はイメージです

さて、アイデンティティに深く根差したお金の使い道を知らない人は、結局は周りの「地位財」にお金を使うしか楽しみはありません。前野教授の指摘の通り、「お金、地位、モノを得ることによって得られる優越感は、はかないもの」であり、欲望が次々に移り変わるだけです。そんな人生楽しいですか? もちろん、「地位財」を一切買うなとは言いません。欲しいモノはどうぞ買ってください。多少のブランド物を買ったぐらいではびくともしない経済力は持ちましょう。但し、何度も言いますが、「地位財」を貯め込んだところで一生満たされることはないことを自覚しておきましょう。 私は、「自らのアイデンティティに深く根差したお金の使い道」を早めに(できれば20代で、遅くとも30代で)気付くことが大事だと思っています。若いうちに着地点をイメージして長期計画を立てれば、それに向けて何度も試行錯誤ができます。 例えば、じゃんけんで100回勝ちたければ、最低300回勝負すればいいだけの話です。あとはその300回の1回目をなるべく早く始めればいい。だからこそ、若いうちに目標を持つことが大事です。私は30歳の手前でそのことに気付き、ひそかに自らの「じゃんけん計画」を立てました。そもそも、そんな計画もなく24歳で銀行を辞めてしまったので、もうやるしかなかったのです。 ビジネスの場合はじゃんけんをするにも1回1回お金を賭けることになります。初回の勝負でお金を賭けすぎてしまうと、負けた時に数年回復できないダメージを負ってしまうこともあります。死なない程度にじゃんけんをずっと続けていくマネージメントこそが大事です。決して勝てなくてもいいから、とにかく負けないように粘ること、いわばゲリラ戦を続けることがポイントです。
1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中
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