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パートナーに理想や成長を求めるのは愛ではない。不幸になる構造の正体とは

「期待しない」ことは見捨てることではなく、相手に変な幻想を抱かないということ

 でも今はその言葉の意味がわかります。期待しないというのは幻視しないこと。理想や役割ではない「いま・ここ」の僕と生きていくという宣言だったのです。  優れた人間としての僕ではなく、自他を傷つける弱さを持った不完全な僕と生きていくという覚悟に、その言葉の尊さに稲妻が走ったような思いでした。  妻は最初からそう思ってくれていたのに、自分が自分の弱さを否定する限り、その言葉を受け止めることができなかったのです。それは妻の愛への冒涜でした。  何よりもそれを渇望しているはずなのに、それをずっと差し伸べてくれているのに、僕は自分の弱さを受け容れられずにそれを跳ね除け、責めてさえいたのに……。  その宣言の裏にどれほどの覚悟があるか。僕は、もうすでに愛されていたことに、ようやく気づけたのです。

人は間違いを犯しても愛によって学び直すことができる

 それから、僕は妻と幸せに生きるためにできることをすると決めました。これからの贖罪の人生は、妻を愛し配慮することに、妻が存在することの不安を安心して共有できる存在として生きていくと決めました。  そして、自分と同じような人たちに、愛と配慮のある関係、存在の受容について伝えていきたいと考え、僕はGADHAを始めました。自分の友人、クライアントに同じ病を抱えている人がたくさんいることを知っていたからです。  少しずつ少しずつ「変わりたいと願う加害者」の輪は広がってきて、今は150人近くが集まって、お互いの不完全さや弱さを認めあいながら、大切な人を大切にできるようになるために学び合っています。  変容を遂げて、結婚していた時よりも離婚してからの方が関係が改善された人もいます。別居を経て、関係が大きく改善された人もいます。  人は間違いを犯しますが、それを認めることができたとき、誰かを愛するために学び始めることができます。  僕は、人は変われると信じています。 <被害者のためのDV・モラハラを見抜くポイント> あなたが、色々な言動を通して「私の感じ方や考え方が間違っているんだ」と思わされることがあまりにも多く、「自分を失っていくような恐怖」や「昔は持っていなかった強い自己否定感情」を持つようになっている場合、被害を受けている可能性があります。あなたのあなたらしさが、加害者によって塗りつぶされつつあるかもしれません。どうかご自身の生きやすさを大事になさってください。様々な専門機関があるので「DV 被害」などで検索してみてください。 <加害者のためのDV・モラハラを自覚するポイント> もしもあなたが僕と同じように「頑張らなければ価値がない」「人より劣っていると思うとたまらなく死にたくなる」場合、その加害性は他者にも向いている可能性があります。「XXなんだから、このくらいやって当然」と人に当然のように役割を要求し、依頼や感謝をせずに関わりを持っている場合、その人はあなたと離れる以外には自分を保てなくなるかもしれません。具体的にはあなたへの相談なく仕事を辞めた部下がいたり、突然あなたのそばから離れた友達や恋人、パートナーはいませんか? それはあなたの加害性を示すサインかもしれません。
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる

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