ライフ

「自分のほうこそ被害者だ」と主張する人々は話を盛る傾向がある

seigiman365_TP_V

一見、パートナーのほうがヤバそうな相談でもよくよく聞いてみると相談者のほうがはるかに問題アリだったというケースは多い

「俺は悪くない、みんなそう言ってた」

 DV・モラハラ加害者が、愛と配慮のある関係を作る力を身につけるための学びのコミュニティ「GADHA」を主宰しているえいなかと申します。  僕自身もDV・モラハラ加害者です。そのせいでたくさんの人を傷つけ、仕事や家庭が破綻寸前になり、ようやく自身の加害行為、それを生み出す加害的な思考・価値観を自覚しました。現在は日々自分の言動を改善しながら、妻と関係を再構築させてもらっています。  この連載では、僕自身の経験や当事者会での気づきを共有していきます。職場や家庭でモラハラに苦しんでいる方々、無自覚に加害を行っている方々の参考になれば幸いです。

加害者の特徴は「相談しながら自己正当化」

 加害者は、自分の加害性を認識することが非常に苦手です。その理由の1つに、「自己正当化可能な相談をする」というものがあります。  つまり、人に相談するときに聞き手が「うーん、それはパートナーも過剰な反応じゃない?」「それは普通じゃん、お前は悪くないよ」と言われるような相談の仕方をするということです。  そしてそれを受けて被害者に「同僚もこんなふうに言ってたし、俺は悪くない」と、自分の正当性を主張するというわけですね。  しかし、それはあくまで加害や被害の知識が足りない人にしか通用しません。今回はその実例を、個人情報保護のために一部改変しながらお見せします。
次のページ
一見「パートナーの方がヤバそう」に見える相談
1
2
3
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

孤独になることば、人と生きることば孤独になることば、人と生きることば

モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる


記事一覧へ
おすすめ記事