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海底熟成されたワインの味は? 南伊豆の海底で年を越した「SUBRINA」を試飲

海底熟成ワイン「SUBRINA」とは

今回飲んだ「SUBRINA ACT3」です

 お酒を海に沈めて数ヶ月置いておくと、味や香りが変化します。もちろん、海水が入らないようにシーリングしている状態です。味や香りが変化するのは、海中に満ちあふれている音、つまり振動が原因とされています。海底で熟成させたお酒と陸上に保管したままの同じお酒を飲み比べて見ると、専門家でなくても違いを感じることができます。  今回は、南伊豆の沖で海底熟成させたワイン「SUBRINA」を紹介します。株式会社コモンセンスが手がける「海底熟成ワインSUBRINA」は2011年からワインを海に沈めてテストを繰り返し、2013年にファーストロットを発売。2021年には3rdロットとなる「SUBRINA ACT3」をリリースし、現在も販売中です。  南伊豆のダイビングショップなどと連携し、地元の人たちと一緒にプロジェクトを進めており、昨年にはAmazon.co.jp 出品者アワード2021の「ご当地の魅力 発信賞」を獲得しています。

海底熟成庫は水深15mのところに

ワイナリーの風景。画像はSUBRINAのウェブサイトより

海底熟成庫は南伊豆の海にあります

「SUBRINA」が眠る南伊豆奥石廊中木沖ヒリゾ浜を望む、水深15mのところに海底熟成庫があります。そこで6~7ヶ月海底熟成すると、ボトルにはフジツボや石灰藻が付着します。ワインボトルはワックスでシーリングされ、1滴たりとも海水が中に入ることはありません。  台風が過ぎ去った冬に沈められ、翌年の夏、台風が来る前に引き上げます。「SUBRINA ACT3」は2021年6月に引き上げたロットとなります。  ワインは南アフリカのステレンボッシュにあるGracelandワイナリーで作られています。ブドウ品種はシラー種です。一般的に、ブラックベリーなど黒系果実のニュアンスがあり、スパイシーな刺激も感じます。肉に合うワイルドなテイストから、上品な味わいまでバリエーションがあるのも特徴です。近年の南アフリカで作られるシラーのワインは評判が高くなっています。  筆者は1stとACT 2は飲んでいますが、ACT 3は初めてです。たっぷりと堆積物が付いた雰囲気たっぷりの見た目が格好よく、痺れます。ワインの口はワックスで蝋封されているので、ソムリエナイフでこそぎとるとコルクが現れます。コルクを抜いたら、付属のポアラーを付け、注ぎます。
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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