エンタメ

“暗黒の20代”を過ごした俳優・佐藤二朗「52歳でも知らないことが山ほどある」

僕は「暗黒の20代」を過ごした

さがす

(C) 2022『さがす』製作委員会

――佐藤さんは、俳優として転機となったドラマ『ブラック・ジャック』がちょうど30歳くらいの時で、本作で商業映画デビューの片山監督は今40歳です。遅咲きと言えますが、いま、30歳そこそこの年齢で、人生を諦めてしまっている人も多いです。 佐藤:ええ? そうなの? 30代くらいで? それは早いでしょ。 ――ギアを上げるための愛のムチや喝をお願いできませんか。 佐藤:いやいや、僕は人に何かを言えるような人生を全く過ごしていないので、むしろ喝を入れて欲しいくらいなんですけど……。僕は「暗黒の20代」を過ごしたとよく言ってるんですが、精神年齢6歳の52歳児の僕には、うじうじした20代というのは、非常に必要なものでした。だから20代の人にだったら、存分にうじうじしてくださいと言うんだけど。

30代なんて、人生まだまだこれから

さがす

(C) 2022『さがす』製作委員会

――新人時代を過ぎた人には。 佐藤:30代に入ったらか。どうだろう。ただ諦めるのは早いよね。僕の経験で喝は入れられないですよ。そこはちゃんと書いてくださいね。人さまに何かを語れるような人生を全く歩んでませんから。大学卒業後、リクルートを1日で辞めたりとかね。ただまあ、なんだろうな。それでも「知らないことや可能性は、まだまだ山のようにあると思うよ」ぐらいは言えるかな。だってね、オカヒジキって食べ物ご存じ? ――オカヒジキですか? 佐藤:ほら、知らないでしょ。ひじきって黒いのあるでしょ。オカヒジキはシャキシャキした感触で、マグロなんかと和えるとすごく美味しいんです。普通にスーパーに売ってるんですよ。でもそれ、僕も52年間知らなかったから。52歳でも知らないことが山ほどあるんです。だったらたとえば30代とかなんて、もう全然。まだまだ人生これからですよ。
次のページ
コメディもシリアスも一生懸命やるだけ
1
2
3
4
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

記事一覧へ

【公開情報】
さがす』はテアトル新宿ほかにて全国公開中
(C) 2022『さがす』製作委員会
おすすめ記事
ハッシュタグ