更新日:2022年04月04日 16:04
スポーツ

ゴルフスイングの真実をゴルフ雑誌で伝えられないわけ/三觜喜一の誰も知らなかったゴルフの真実

従来のレッスンは、物理学的なエビデンスがなかった!?

 そうなると、ほとんどのレッスンプロたちは、とても困ったことになります。なぜなら、これまでの指導者たちが行ってきたのは、二次元の世界のなかでの経験則や感覚、イメージに頼ったレッスンでしかなく、それらには物理学的なエビデンスがないことが白日のもとに晒されてしまうからです。  ゴルフはクラブという道具を使って行うスポーツです。スイング中のクラブの動きや、体の動きを三次元で解析できるシステムはアメリカで開発されたものですが、それによって日本と海外のトッププロのデータを分析すると、明確な違いがあることがわかりました。これまで、海外ツアーで日本人選手がなかなか活躍できないのは、体格や体力の違いが大きいというのが最大の理由とされてきましたが、それは大きな間違い。海外の選手は“いかに効率よくクラブを動かすか”という視点からスイングづくりにアプローチしてきたことが解明されています。ところが、日本人選手の多くはクラブの使い方よりも体の動かし方を重視してしまっているんです。

クラブの動かし方よりも体の使い方を重視してきた日本のゴルフ界

 日本のツアープロが一時的に活躍しても、体が故障したり、長続きせずに一線から姿を消してしまうケースが多いのはそのため。優勝した翌週の試合で予選落ちしてしまうことも日常茶飯事です。でも、海外ツアーではトップ選手が10年、20年と長く活躍し、年齢を重ねてもその実力を長く維持することができている。これはひとえに、海外の選手たちがクラブを効率よく動かし、少ないエネルギーで最大のパワーを引き出せるスイングをしているからです。一方、日本人選手は体の使い方を重視して、全身を使った負担の大きいスイングをしているため、好不調の波が激しく、ケガや故障に悩まされることになってしまう。根本的なクラブの使い方を選手だけでなく、指導者も含めて理解していなかったので、スイングの真実を正しく知ること、伝えることができていなかったのです。  たとえ間違ったスイング理論でも、それを反復し続けて、再現性が高くなった結果、日本ではそれなりにお金を稼げてしまう。でも、アマチュアにはプロのようなフィジカルの強さがないので、既存のレッスンを受けたり、雑誌に載っているスイング理論を試したところでケガをするか、根本から体を鍛え直さないとムリなんです。ゴルフの上達が難しいと感じる理由がここにあります。
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物理的に正しいスイングはひとつしかない!
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みつはしよしかず●’74年、神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。ジュニア育成、ツアープロコーチとしても活躍。YouTubeの「三觜喜一MITSUHASHI TV」は登録者数41万人超

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【過去記事を参照 Lesson 1~41、82~】⇒日刊SPA!
【過去記事を参照 Lesson 42~81】⇒bizSPA!

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