ゴルフ雑誌には書けない上達術とは?
いい大人になれば誘われるのがゴルフ。どうせなら気分よく、迷惑かけずにラウンドしたい。そこで、数多くのゴルファーを上達させてきた三觜プロが、最速で100を切るためのポイントを解説!
三觜喜一氏
多くのアマチュアゴルファーが直面する100切りの壁。
「この壁を乗り越えるにはゴルフに対する根本的な考え方を見直す必要がある」と語るのは、YouTubeチャンネルで絶大な人気を誇る、ティーチングプロの三觜喜一氏だ。
「ほとんどのゴルファーが『クラブにうまくボールを当てて、真っすぐ飛ばしたい』と考えますが、これこそがゴルフを難しくしている最大の原因。ゴルフスイングというのは、先端に重いヘッドがついた棒を“振り子”の要領で振る動きです。力学的に理想的な振り子運動ができさえすればおのずとヘッドの軌道は安定し、再現性も高くなります。ところが『当てよう』という意識が働いた瞬間、振り子運動を妨げる力が働き、クラブの軌道から再現性が失われてしまうんです」
皮肉なことに、良いショットを打ちたいがためボールに当てようとすればするほど、理想的なスイングからは遠ざかっていたということか。最速でゴルフがうまくなりたいなら当てようとする意識を頭から完全に捨て去ること。これが100を切るための第一歩であり、一番の近道なのだという。
「いかに速く・同じ軌道で」だけを考え連続素振り
「この振り子運動を定着させるべく、ハーフスイングの振り幅で連続素振りを繰り返してみましょう。このとき、振り子の最下点でいかにヘッドを最速で振るか。考えることはこれだけ。当てたいという意識を捨ててこの一点に集中すれば、人間の体はおのずと効率的な動きをするものなんです。フォロースルーの後の“戻し”の動きも高速でやりましょう。練習場でボールを打つ前に、まずは連続素振りでクラブへの正しい力の伝え方をマスターすべきです」
この理想的なスイングのためのポイントは下記の5つ。ドライバーからウェッジまで、クラブの長さが変わろうとこれらのポイントは常に心がけるべきだそうだ。
これが基本中の基本「連続素振り」だ!
●POINT 1 アドレスでは〈肩甲骨を嵌める!〉
腕と体幹の連動性がないと、ヘッドを最速で振ることはできない。アドレスでは両肩を上げずに、肩甲骨を最適なポジションに嵌め込むイメージで構えれば、ヒジから上の腕が固定され、安定した振り子を実現できる
アドレスの状態から
●POINT 2 テイクバックでは〈左肩を下げた反動〉でヘッドを上げる
テイクバックの際に手でクラブを持ち上げるのはNG。上体の前傾角度に対して水平にねじるように左肩を下げてテイクバック。左肩を下げることで、ヘッドはてこの作用で自然と上がる
手ではなく反動で上げる
●POINT 3 グリップエンド方向に〈クラブを引き下ろす〉
切り返しからダウンスイングでは、グリップエンドが向いている方向にクラブを投げる意識で腕を引き下ろすのが正しい動き。そうすることで効率よくヘッドを加速させることができる
クラブを引き下ろす!
●POINT 4 体重移動は〈直線運動〉
「腰を回転させるのではなく、直線運動と捉えることでゴルフは劇的にやさしくなる」と三觜プロ。ダウンスイングからインパクトでは、腰を回すのではなく右から左へと直線的に体重を移動。体はヘッドの勢いに引っ張られて回転するだけだ
ここで「いかに速く・同じ軌道で振れるか」だけを考える
●POINT 5 振り子運動を止めないために〈ヘッドを旋回〉
フェースの向きは無視して、先端のヘッドを最速で振ることだけを考えれば、自然と腕を回して、フェースをターンさせて振ろうとするはず。当てる意識が入ると、振り子運動にならない
ヘッドは自然と返るもの
頭の位置はずっと同じ
【ティーチングプロ・三觜喜一氏】
みつはしよしかず●’74年、神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。ジュニア育成の他、ツアープロコーチとしても活躍。YouTubeの「
三觜喜一MITSUHASHI TV」は登録者数21万人超え
取材・文/舟山俊之 撮影/林紘輝
※週刊SPA!3月10日発売号「最速で100を切るゴルフ」特集よりみつはしよしかず●’74年、神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。ジュニア育成、ツアープロコーチとしても活躍。YouTubeの「
三觜喜一MITSUHASHI TV」は登録者数41万人超