自分の人生は、自分の力で好転させる
東京大学の卒業式にて
現代を生きる日本人に最も足りないのは「覇気」と「発想力」である。その証拠に「できない、できない」が口癖の日本人は多い。
・どうせ……
・〇〇がない
・自分には無理
・これは難しい
・できるはずがない
・上手くいくわけがない
こんな言葉を、やる前から平然と口にしている。変われない自分を正当化するかのように、言い訳をまず考えている。なあなあと日々を過ごし、傷の舐め合いがしたいだけの「思考停止状態」に陥っているのだ。
We become what we think about.(人はなりたい自分になれる)
長期的に見れば、人はありたい自分としてあり続ける。変わりたいという「覇気」と、どう変わるべきかという「発想力」がある限り、人生は何度も転びながらも好転していくからだ。
子どもの頃の経験を思い出してほしい。僕たちは転びながら学び、痛い思いをしながら学び、最終的には補助輪なしで自転車に乗れるようになった。
いきなり強いわけじゃない。いきなりできるわけじゃない。ぶつかりながら、繰り返しながら、僕たちはなりたい自分になっていく。
「人生は自転車に乗るようなもの。バランスを保つには、こぎ続けなければならない」(アルベルト・アインシュタイン)
周りを見渡すと、ほとんどの人は、転ぶのが嫌で、人に笑われるのが嫌で、「楽しい人生」を自ら諦めて、人の顔色を伺う「楽な人生」を選んでいる。
たとえば、金銭的に余裕のない多くの人は、結局「お金がなくても仕方がない」と、挑戦を心底諦めて、嫌な状況に甘んじてしまっている。
同じく、仕事が遅い人や、勉強が苦手な人、口下手な人、モテない人だって、変化するための「覇気」と「発想力」が欠如している人がほとんどなのだろう。
自分に自信が持てないが故に、ストレスばかり抱えながらも、傷つくことに怯え、嫌な状況から抜け出すための努力をせずにいるのだ。
あなたが無気力になってしまったのは、あなた個人のせいではない
来日直後の筆者、17歳。母と姉と一緒に
僕は日本生まれではないし、日本に来たのも17歳になってからだが、たいていの日本人よりは日本語ができる。
それは「日本語ができない自分」を決して受け入れたりせず、変わるために、日本語の本を5000冊近く読んできたからに他ならない(500冊も読まないうちにネイティブ以上になれた)。
自分の限界なんて、誰が知るのか。僕は、まだ飛び込みもせずに、無理だと決めつけたくはない。
なにせ、あなたが無気力になってしまったのは、あなた個人のせいではない。時代錯誤的な「出る杭は打たれる」教育のせいである。
幼稚園で子供たちに質問すると、自分こそが特別だと言わんばかりに、子供たちは間髪入れずに手を挙げて自由な発想を語る。でも小学校に入った途端に締めつけられ、「みんなのため」「みんなと一緒」を植えつけられた挙句、凡人になっていく。
「子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ」(パブロ・ピカソ)
だが、人生をやり直すのも、特別な自分に戻るのも、まだ遅くない。過去の自分に誇れる自分になるのは、そんなに難しくない。特別な自分であれば、どんな「大胆かつ冷静」な発想をするのか想像してみて、なりきればいいだけだ。
できるできる。まだできないだけ!
「できる」と「一度でできる」は同義ではない。やってみてできなかったら、「まだできないだけ」である。
上手くいかなくても気にせず、できると思い込んで行動し続ければ、必ずできるようになる。
夢は追うものではなく、背負うもの。野心の高さが、あなたの未来を決定づける。
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がける
Callisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『
カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中
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