教える側の経験則や主観で語られてきた既存の指導法とは一線を画す論理的なレッスンで、YouTubeチャンネル登録者数37万人とゴルファーから絶大な人気を誇るティーチングプロの三觜喜一氏。３月には「自身の集大成」と位置付けるゴルフレッスン本『誰も知らなかったゴルフの教科書』が発売される。そんな彼が『週刊SPA!』で１年半に渡って繰り広げてきた“誌上レッスン”をここに公開！ 　さて、世に出回っているゴルフ理論には、アマチュアを混乱させるものがまだまだ氾濫しています。 「テイクバックでは、右足にしっかり体重を乗せましょう」 　なんていうのもそのひとつ。トッププロでさえ、ゴルフ雑誌のレッスンでそう語っているのをよく目にします。果たして、本当にそれが正しいと言えるのか……。 　僕はテイクバックで体重を右に乗せたり、その意識を持ったりすることは、“百害あって一利なし”だと考えています。 　前回、テイクバックの始動について話をしました。簡単におさらいをしておくと、アドレスの姿勢から左肩を下げ、上体をタテに回転させていく。そうすることで手元が右斜め下方向に引かれ、その反動で重いヘッドが自然に引き上がる。これが正しいテイクバックだと説明しました。 【前回を参照】⇒Lesson10 正しいテイクバックがゴルフスイングの再現性を高める 　多くのアマチュアはテイクバックでクラブを“上げる”意識があるため、バックスイングの軌道やトップの位置が安定しません。ヘッドに遠心力をかけ続けるには、テイクバックでもクラブを“引く”必要があります。テイクバックではクラブを“上げる”のではなく、“引き上げる”のが正解なんです。