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SMAPの昔の歌が、ウクライナ戦争で人気急上昇。今聴くべき名反戦歌の数々

 ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、SMAPの「Triangle」(2005年 作詞・作曲 市川喜康)が再び脚光を浴びています。戦争に対して明確にNOを突きつけ、生命の尊さを訴える歌詞が、不幸にも今の状況に合致しているからです。
ウクライナ

3月9日、ウクライナ西部のリヴィウ。ロシアとの戦闘で亡くなった兵士の棺を運ぶウクライナ軍 (C)Bumbleedee

<破壊でしか見出せない未来の世界を 愛せないよ> <大国の英雄(ヒーロー)や 戦火の少女 それぞれ重さの同じ 尊ぶべき 生命だから> といったフレーズは、17年の時を超えて痛切に訴えかけてきます。3月11日放送の『おはよう日本』(NHK)でも、恐怖におびえるウクライナの子供たちの映像とともに楽曲が紹介されると、桑子真帆アナウンサーの声が涙で詰まる場面もありました。  重たいメッセージと裏腹に、爽やかなメロディと軽快な曲調だからこそ、より深刻さが伝わってくる。このあたりも、長い年月を経てもなお支持される理由なのでしょう。

忌野清志郎の新説「風に吹かれて」

「Triangle」だけでなく、日本のロック、ポップスは多くの反戦歌を生んできました。
忌野清志郎

忌野清志郎 公式サイト

 たとえば、忌野清志郎(1951-2009)は、日本国憲法の第九条への並々ならぬ愛と信頼を隠しませんでした。「憲法九条を知っているかい。ジョン・レノンの歌みたいじゃないか。世界中に自慢しよう」(2005年4月24日 アースデイ東京二〇〇五での発言)と語ったこともあり、自身のバンド「RCサクセション」では洋楽のカバーに日本語詞をつけたアルバム『カバーズ』(1988年)で、反戦と反核を主張しました。特に、清志郎流の「風に吹かれて」(オリジナルはボブ・ディラン)の改変は痛烈です。 <どれだけ金を払えば満足できるの? どれだけミサイルが飛んだら戦争が終わるの? その答えは風の中さ> “金を払えば”と“ミサイルが飛んだら”は、どちらもディランの原曲にはないフレーズ。清志郎なりの解釈から創作した、新説「風に吹かれて」といった趣です。

THE BLUE HEARTS「青空」

 そして、いまや東芝の企業CMで楽曲が使われるTHE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)。彼らもパンクバンドならではの反戦歌の名曲を残しています。「青空」(1988年 作詞・作曲 真島昌利)は、映像が目に浮かぶような歌詞が印象的でした。   <ブラウン管の向こう側 カッコつけた騎兵隊がインディアンを撃ち倒した> <生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の   何がわかるというのだろう> 「すてごま」(1993年 作詞・作曲 甲本ヒロト)にいたっては、もっと直接的です。 <何か理由がなければ 正義の味方にゃなれない   誰かの敵討ちをして カッコ良くやりたいから>    そうして戦地へ赴くいち兵士を“すてごま”に見立てて、身も蓋もない戦争の真実を暴く。 <いざこざにまぎれて 死んでくれないか>  敗戦国であり唯一の被爆国であることからくる戦争への決定的な拒否感と、ベトナム戦争に抗議した60、70年代の欧米のフォークソングに対する共感。これらがあいまって、日本ならではの反戦歌が生まれたように思います。根底にあるのは、戦争は愚かな行為であり、平和と人間の生命こそが何よりも大事であるとのメッセージです。
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痛烈なパンク反戦歌
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