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なかやまきんに君の“筋肉留学”孤独な時期も…アメリカでネタ作りより優先したもの

手探りで一から作り上げた「筋肉芸」

なかやまきんに君

なかやまきんに君Twitterより

――どうやって筋肉芸は生まれたのでしょうか? きんに君:それまで最初から鍛えている筋肉芸人は誰も見たことがなかったので、僕には参考にするものがなかったんです。だからデビュー当時は手探り状態。まあ今でも手探りではありますが……。ちょっとずつやっていったら、スタイルが出来上がった、みたいな。 ――イチから作り上げるしかなかったんですね。 きんに君:そうです。まず最初に筋肉をウリにしたスベる奴という時代があって、筋肉番付などの出演で全国区になって、その後に筋肉留学をして、YouTubeチャンネルを始めて、筋肉や筋トレが一般的にも広がって。これって時代がリセットされない限りは、もう僕と同じことはできないじゃないですか。 もちろん僕的には、新しい人に出てきてほしいぐらいなんですけど、僕が「出てこないようにしてくれ」と勝手に頼んだ訳じゃなく、もう二度と筋肉芸人は現れないと確定してしまったんです!(笑い)

「運が良かった」時代とのめぐり合わせ

――なるほど(笑)。ラストマッスルたる所以ですね。ちなみに、すべり芸は、いつぐらいから意識的にやるようになったのでしょうか? きんに君:当然、最初からすべり芸を目指していた訳じゃないんですよ。NSC(吉本総合芸能学院)に入って、お笑い芸人を目指す人の中で、まずすべり芸を目指そうって人は絶対にいないと思います。 先ほどお話ししたように、僕は参考にする人がいなかったので、教科書がなかったんですよ。それは先輩芸人も同じで、僕のような筋肉芸人が出てきたときに、どうツッコめばいいか分からなかったと思うんです。 ただ運が良かったのは、いまや全国ネットで活躍している錚々たる先輩方が、大阪で活動していた若手時代のギラギラしたときに、上手く僕をいじってくれたんです。みんなで一緒に時代を作っていこうという時代だったからこそ、出来上がった芸だと思います。 ――少し前にきんに君の一日署長のVTRを見たNHKの一橋アナが笑ってしまう動画が話題になりましたが、ご覧になりましたか? きんに君:見ました見ました。僕も笑ってしまいましたね。笑いを堪えきれなかった様子がリアルだったじゃないですか。「こんなことになっているのか!」とびっくりしましたけどね。
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「同じところにとどまるのが嫌いなタイプなのかも」
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出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。

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