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なかやまきんに君の“筋肉留学”孤独な時期も…アメリカでネタ作りより優先したもの

「同じところにとどまるのが嫌いなタイプなのかも」

――筋肉留学に行く前は、英会話の事前準備などはされたのでしょうか? きんに君:ほぼしなかったです。だからテキストを買ってbe動詞から始めて、アメリカでは語学学校に入学しました。そんな状態でも、たぶんアメリカで活躍できるだろうという根拠のない自信があったんです。 実際、筋肉留学前に行ったアメリカロケで、通訳を介しながら拙い英語で筋肉ルーレットをやったときも、現地の人が腹を抱えて笑っていました。これで英語がしゃべれたら、長く売れ続けるのは難しいだろうけど、一瞬パッと出て話題になるぐらいはできるだろうと思っていました。 ――根拠のない自信があったとはいえ、28歳で日本での芸能活動をリセットするのは勇気のいることですよね。 きんに君:HGさんに肉体派の仕事が全て行ったのもありますが、今振り返ってみると、そもそも僕は同じところにとどまるのが嫌いなタイプなのかもしれません。 常に3年先、5年先を考えるんですけど、「自分はこれぐらいの位置かな」って想像するじゃないですか。筋肉留学をしようと思ったときも、リスクを背負ってアメリカに行って、たとえ成功することなく日本に帰って来たとしても、まだ三十代前半だから同じ位置に戻れるかなと勝手に想像したんです。

勉強ばかりの「孤独で苦しい時期」も

――アメリカにツテはあったんですか? きんに君:全くなかったですし、知り合いもゼロでした。でも最初はアメリカに行けるだけでワクワクしましたね。 17歳のときにトレーニングを始めて、その頃から読んでいたボディビルディング専門誌の『月刊ボディビルディング』や『IRONMAN(アイアンマン)』でロサンゼルスの西海岸が特集されていて。そこに実際に行ったら、ゴールドジムの1号店があって、椰子の木があって、ローラーブレードをしている人や野外でトレーニングしている人がいてみたいな、雑誌で見た光景が広がっていたんです。 もう楽しさしかなかったですね。まあ後半の2年間は勉強ばかりしていたので孤独で、苦しい時期もありましたけど。
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アメリカでオファーをもらうも出演できず
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出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。

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