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モンスター客が弁護士だった…携帯ショップ店員「法廷に立たされている気分」

「私に嫉妬したのね?」精神で乗り越えた

 すると、今度は高橋さんの見た目にも批判を始めたのだ。 「Aは『あんたの髪型や化粧も、男に媚びようとしているのがバレバレなのよ』とまで言いました。それでも、ヒートアップしたAが落ち着くまで我慢して傾聴しました」  想定外の修理額に憤慨したAは、どうやら高橋さんを逆恨みしている様子だった。Aの罵声は延々と45分間ほど続いたという。そして、最後の一言が最悪だった。 「『あんたなんて男に騙されてとっとと辞めろ!』と吐き捨て、一方的に電話を切られました」  高橋さんは、変なモンスター客にあたってしまった……と思うほかなかった。「私に嫉妬したのね?」と考えることにしてその場を乗り切ったのだとか。

携帯ショップに現れた弁護士の論破モンスター客

 携帯電話の契約は複雑な内容が多い。市川結子さん(仮名・30代)は案内する際に誤解を生まないように、かなり気を付けて接客していたという。実際、店舗の顧客満足度アンケートでも高い評価を得ていた。  そんな中、1人の男性客が妻とともに現れた。 「話の流れで知ったのですが、彼は弁護士でした。私は、普段通りに業務をこなししっかり対応したはずだったのですが、どうやら契約内容の認識に誤りがあるようなんです」  石川さんは念のため、改めて説明しようとしたのだが……。 「相手は『あなた、先ほどこういう言い方をしましたよね?』と、私の説明が悪かったと主張するんです。『まずは、言い方が間違っていたことを謝ってください』と謝罪を要求されたので、怒らせないためにも謝ったのですが……」
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まるで法廷に立たされている気分
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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