更新日:2022年05月04日 13:55
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石木ダム建設予定地を訪問した長崎県知事。“ほたるの川”は守られるのか!?

住民は知事の「ダム建設見直し」に期待

大石知事の視察後に囲み取材に応じた反対派住民の岩下すみ子さん。「パフォーマンスではないことを信じたい」と語った

大石知事の視察後、囲み取材に応じた反対派住民の岩下すみ子さん。「パフォーマンスではないことを信じたい」と語った

 続いて、大石知事を案内した住民、岩下すみ子さんの囲み取材が始まった。 岩下:最後に私たちのお墓までお参りをしていただきまして、お線香をあげていただいて。私たちは嫁の立場で、他所からここに嫁いで来たのですが、何かちょっと感動しましたね。そういうことをなさると全然思っていなかったので、ありがたかったです。 幹事社:当初から、知事のほうは(ダム)推進の方向は変わっていないと思いますが。今日、ご説明をしたことで中止に向かう期待感は何かあるのでしょうか。 岩下:この小さな川を見れば、先日、けっこう雨が降って水の量も思うのですが、本当に(石木川は)小さな小川ですよね。ホタルが生息するような川なのですよ。水の量も見ていただいたので、そこらへん(必要性への疑問)を思う期待感だけですね。期待を持って対応しないと対応できないものですよね。ダム反対のためならどんなこともしますので。そういう気持ちで接しました。 幹事社:もう一回来て話をされるという話もされていましたが、次はどんなことをお伝えしたいという考えですか。 岩下:利水とか治水とかそういう面で(話が)できたらと思うのですが、(ダム)見直しをしていただきたく思いますので。

「知事は気さくで会話がしやすかった」

ダムが建設されようとしている石木川は、川棚川の支流の小さな川だ

ダムが建設されようとしている石木川は、川棚川の支流の小さな川

他社:前の知事の時はなかなか現場に来ることが進まなくて、今回は街を一時間かけて見て、お話ができたということがあると思うのですが、そこに関してどういうふうに感じていらっしゃいますか。 岩下:(3月10日の初訪問の際に)私は「川原を見て歩いてほしい」と言っていたけれども、それが実現するとはまるで思わないですよね、まず。社交辞令だと思っていましたので、それが(実現して)「えー」とびっくりしましたね。 他社:実現したことで喜びとか、どういった思いがありますか。 岩下:直接ここを歩いて見ないと、私たちが頑張って50年も60年も守って来たものを直接見ていただかないと、分からないと思うのですね。さわやかな晴れとか、きれいな新緑とか、そういう景色を直接見ていただきたかった。「何人住んでいる」といった家族構成についても一人一人、13軒みんな声をあげて言われたし、一軒一軒そういう生活を見ていただきたくて。大事に守っていることを、みんなで生活していることを。(ここでは)孫と一緒に生活ができる場所なのです。 他社:今日一緒に見て回って、思いは伝わったと思いますか。 岩下:伝わったと思います。ここは『ほたるの川のまもりびと』という(2017年製作の)映画にもなりましたよね。そのDVDも、(村上嘉昭著)『石木川のほとりにて』という本に基づいて写真でずっと説明をしていきました。ずっと知事はメモを取られていました。「知事、その本を入れていますので、ぜひ読んでください」と言ったら、「ぜひ、読みます」と言われました。だから見ていただけると思います。 他社:今日、知事と回られて印象に残った反応や言葉などがあったら教えてください。 岩下:とにかく身近ですよね。優しいですしね。「本当に、こんな知事、初めてですね」と知事にも言ったのですが、(大石知事は)「そうですか」と。「本当に身近で普通に会話ができます」と伝えたら、「そうですか」と言われましたね。気さくで会話がしやすかったです。こんなに言ったら失礼に当たりますが、「知事様」と言ったら「そんな言わないでください」と。
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わずかでも、ダム建設中止への希望を持ちたい
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ジャーナリスト。『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数

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『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』

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