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店員は“金があれば何でも言うことを聞く”と思っている客の大きな勘違い

 本当に「お客様は神様」なのだろうか。この言葉を鵜呑みにして店側に過剰なサービスを求めた挙句、期待に応えられなかった場合にはクレームを突きつけてくる人も。今回は、そんな“モンスター客”にまつわるエピソードを紹介する。

“金があれば何でも言うことを聞く”と思っている客

レストランで会話をしながら食事をする男女の手元

写真はイメージです。以下同(Photo by Adobe Stock)

 高級料理店で働く今元紀夫さん(仮名・40代)が嘆く。 「お金があれば誰でも言うことを聞くと思っているのでしょうか。客の態度がそれを物語っていました。私はいわゆる高級店に勤めており、コース料理は安くても1万円から。いちばん高いコース料理は3万5000円です。1万5000円以上のコース料理は前日に、3万5000円のコース料理は2日前に予約をいただくことになっているのですが……」  食材の仕入れや当日の仕込みでは間に合わない料理もあるため、予約が必要なのだという。ある冬の夜、60代くらいの男性が若い女性を連れて来店した。  その男性が、金に物を言わせるモンスター客だったとか。

突然の無理難題

「いちばん高いコースを注文されましたが、事前に予約がないと作れない旨を伝えると、『俺はいちばん高い料理しか食べない男なんだ!』『なぜできない!』『金は出すんだぞ!』と激怒されたんです」  店内にいた他の客は、突然の大声に驚いた様子。今元さんが再度、「食材の準備の都合でできない」と伝えると……。 「さらにヒートアップして『そんなことは俺には関係ない! 今から準備しろ、金なら欲しいだけ払ってやる!』と叫びました。この方は以前、接待で来店したことがあり、お店を気に入っていただいているようでした」  結局、その日に用意してある食材でなんとかコース料理を提供することになった。しかし、それでも納得していなかったと今元さんは話す。 「一緒にいた女性は、その男性の態度を見ても何とも思ってない様子でした。それが当たり前のようだったのを覚えています」
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料理に難癖つけながら「金は払うんだぞ!」
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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