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元モデルが“ドローン”に見出した活路「稼げるような土壌を作りたい」

仕事は「事前準備が8割」

ドローンアーティスト夏知

画像は、ドローンアーティスト夏知のインスタグラム(@drone_nachi)より

 現在は、時期によるものの月に3〜4件ほど空撮の仕事をこなしているという小池さん。実際のところ、ドローンを使った空撮の現場はどのような感じなのだろうか。「ドローン空撮は事前準備が8割と言えるくらい、大事になってくる」とし、次のように説明する。 「ドローンのメンテナンスはもちろん、予備のプロペラやバッテリーを用意することやロケ地の撮影許可取り、万が一ロケ場所のコンディションが悪い場合に備えてロケハンをしておくなど、とにかく事前準備が大切になってきます。  当日の現場では、風向きや電波の状況などを見ながらドローンを飛ばすわけですが、事前準備がしっかりできていないと、クライアントに迷惑をかけてしまいますし、特にドラマや映画などの作品づくりの場合はかなりの丁重さが求められるんです」  空撮現場では、監督の指示やイメージコンテのような画を忠実に再現するのが絶対条件となっている。  当日の現場の状況によって当初予定していた内容が変わることもあるので、「臨機応変に対応できるスキルも身につけておくのが必須」だと小池さんは言う。  また、プロ向けドローンの『Inspire 2(DJI社)』を使うことが多いんですが、ツーオペレーション(ドローンの操縦とカメラワークを分担すること)は阿吽の呼吸が大切になってきます。現場では私と畠山が協力して、クライアントの意向に添いながら空撮を行っているような状況ですね」

屋根点検や動画制作の仕事は努力すれば獲得できる

小池夏子

ドローンインストラクターとして指導する小池さん

 そんな小池さんに、ドローン操縦士として活躍するためには、まず何から始めれば良いのか聞いてみた。 「作品撮りはセンスが問われる一方、屋根点検やPRの静止画の撮影であれば、テクニックよりも安全かつ丁寧な操縦が求められます。ライセンスを取得してドローンの基本的な操縦方法と法規制を抑えていれば、努力次第で仕事を得ることはできるでしょう。  もちろん、営業が必須になるので、自己アピールにつながるポートフォリオ(ドローンで撮影した作品集)を作ることが大事になります。ドローンに興味があれば、まずはスクールに通ってみたりトイドローンを購入してみたりして、実際にドローンに触れてみるのがいいと思います」  今後は自社で手がける講習をリニューアルし、空撮に特化したドローンスクールを開校するために準備を進めているそうだ。複数のスクールを開校する予定で、30万坪(東京ドーム20個分以上)の広大な場所にもドローンスクールを開くという。 「ライセンスの取得ができるのはもちろん、空撮のテクニックを学ぶことが可能です。より現場で役立つ知識・技術の指導や実際の空撮案件のマッチングなども行っていきたい。私が歩んできたようにドローンの素晴らしさを人に伝え、ドローンの知識や操縦技術を教えるとともに、インストラクターを目指す方やスクール事業をやってみたい方のサポートもやっていければと思っています」  最後に今後の展望について小池さんに伺った。 「ドローンは自分にとって、天職だと思っています。まだ道半ばではありますが、最近では私がSNSで発信しているのを見て、ドローンに興味を持つ女性も増えています。ドローンビジネスを始めたいと思う方には、ラジコン好きやカメラ好き、タクシーのドライバーなどいろんなバックボーンを持っていて、それぞれ目標を持ちながらドローンを学びに来ています。人材教育という観点から、今後は脱サラや副業など、ドローンで稼げるような土壌を作っていければと思っています」 <取材・文/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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