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会社が内部留保をためこんでも「社員の給料は上がらない」残酷な真実

ある法則がコロナショックで証明されてしまった

社員 社長

写真はイメージです

 1991年のバブル崩壊以降、大きなものだけでも4つの経済危機がありました。1991年バブル崩壊、2000年ITバブル崩壊、2008年リーマンショック、2020年コロナショック。これらの危機が起こるたびに、内部留保の少ない企業は潰れていきました。どの危機においても、政府の救済措置はショボくて遅い。そんなもん待っていたら会社は潰れてしまいます。いざという時に頼りになるのが内部留保。生き残った経営者たちは「金を貯めこんでおいてよかった」と思ったに違いありません。そして、この法則の正しさがまたしてもコロナショックで証明されてしまったのです。  今、この文章を読んでいる方で、給料が上がらないことで経営者に不満を持っている人も いるかと思います。しかし、2020年以降も雇用が守られて給料ももらっているなら逆に経営者に感謝してください。ちょっと業績が良くなったからといって全部配っちゃったら会社は潰れてしまうんです。それをしなかったあなたの会社の社長は偉い。だからこそ、今でもあなたの雇用は安定しているでしょ? 元々あなたが今の仕事を選んだ理由も、この安定を求めていたからではないですか? だとしたら、社長は約束を守った。四の五の言わずに働きましょう。それもまた約束ですから。 <文/上念 司>
1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中
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