そして、ポイント3。それは、自分自身の過去の成功体験＝的中パターンを知ることです。 　例えば私自身でいえば、過去を振り返ると大きなプラス収支をもたらしているのは3連単の2～3着付けです。特に穴馬を軸にして2～3着付けを買うケースが、高回収率に繋がっています。 　逆に不調になって守りに入り始めると、ついつい本命サイドの馬を軸にしてチャンスをふいにしてしまいがちです。それ自体の良し悪しではなく、やはり個々人の予算、あるいは性格も含めて、得意のパターンがあるわけです。 　それを知るためには、過去の的中パターンや大きな払い戻しを得たときの状況を一度振り返ってみるといいでしょう。例えば大勝負をしたときに限って当たらず、気軽に買ったときほど高配当が当たる……という場合は、大勝負をする際の買い方が通常時とは違っているのかもしれません。 　普段は馬連や3連複を買っているのに、大勝負のときは思考停止で単複1点勝負をしてしまうとしたら、それは自身の的中パターンや得意パターンとは異なる勝負をしているわけですから、当たらなくて当然です。どんなときに当たったのか、その際の購入金額や券種、そして買い方まで一度振り返ってみると、買うべきパターンや得意なシチュエーション、券種が見えてくるはずです。そして、自分自身を客観的にひとつのツールとしてみることができれば、あなたの馬券力はきっと今より上がるでしょう。 　いかがだったでしょうか？ 　今の競馬は、「予想力以外で収支が決まる」といっても差し支えないほど、予想力以外の要素が大事なのです。 　もっとも、これは厄介な問題ではなく、むしろ多くの馬券プレイヤーにとって希望ですらあります。なぜなら、予想力はやはり経験値の高さが有利に働くケースも多い一方、馬券力は誰でも身につけることができるからです。予想力を極めたベテランの収支を、馬券力を鍛えたビギナーの収支が上回ることは珍しくありません。 　以上を踏まえて、あなたも是非、馬券力を鍛えてみてはいかがでしょうか？ 文／TARO競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』（オーパーツ・パブリッシング）が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』（ガイドワークス）、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』（扶桑社）が発売中。