お金

ボーナスは「全額貯金していれば安心」に潜むリスク。お金を“守る”ためには?

お金を「守る力」とは?

 お金を守る力は金融リテラシーです。例えば1億円を貯金したとしても為替が1ドル=200円になっては、その価値は1ドル=100円の時の半分になります。貯金していたら価格変動リスクがないというのは勘違いです。  為替レートは毎分毎秒変動していますので、円だけではなく、ドルや金、暗号資産などリスクが違う金融資産に分散してポートフォリオを組み、お金を守る必要があります。そのためには金融リテラシーと経験が求められます。  さて、今のような円安のときに米国株に投資するメリットはあるのか?という点ですが、 基本的に未来の為替レートは予測できません。よって「為替レートは気にせず、株式に投資する!」が正解だと私は考えています。
S&P500

10年前のS&P500は1400ポイントだった(出所:Trading View)

 例えば10年前にS&P500が1400ポイントの時に、100万円を投資していたとします。 そのときに円安で為替レートが1ドル=130円だったとしましょう。そこから現在、S&P500の株価は3666ポイント(2022年6月16日時点)で、約2.6倍まで上昇しています。  株式を売却して、為替レートが1ドル=100円だったとしましょう。つまり、買うときは円安で売るときは円高で為替レートではロスを出している状態です。1ドル=130円なので、100万円をドルに両替すると7692ドルです。  このドルでS&P500に投資をします。10年後の現在、S&P500は約2.6倍になっています。 つまり資産評価額が約20,000ドルになっています。この株式を売却して1ドル=100円換算で円に戻すと、 約2,000,000円になります(※税金、為替手数料は考慮していません)。  この結果から分かるように、為替でロスをしても株式が数倍になっていれば、問題ないということです。

「全額貯金」にはリスクあり!

S&P500

青線:ドル建てS&P500ETF 黄線:円建てS&P500ETF(出所:Google Finance)

 円建てのS&P500とドル建てのS&P500はパフォーマンスに差がありますが、どちらも米国株の成長の恩恵は受けられます。ただし、今後も過去と同じリターンになるかは分からないので、そこは各自でご判断ください。  よって円安の“今”のタイミングでも米国株に投資するべき! と私は考えます。今のタイミングで短期的な高値を掴んだとしても、今の高値は10年後の安値になっている可能性が高いと考えます。10年後に数倍になっていれば為替リスクは問題ありません。  むしろ円だけで資産を保有している方が大問題。ボーナスの使い道として「全額貯金」は危険であると我々は認識すべきです。円安になっているのは日米の金利差が主な要因ですが、人口減少、GDPの減少による国力の低下でもあります。  長期で経済成長が望めない日本円に全額貯金はせずに、金融資産を分散してポートフォリオを組むリテラシーが求められます
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FIRE達成者たちの会社員時代のボーナスの使い道
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金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。2021年10月4日(証券投資の日)に「資産運用をしよう」という言葉をTik Tokで世界一広めてギネス認定される。YouTubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」を運営。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

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