お金

8000万円を米国株に一括投資した直後に暴落、地獄から逆転FIRE達成した50歳男性

 株式会社バイアンドホールド 代表取締役社長の山口貴大と申します。YouTubeやSNSでは「ライオン兄さん」名義でお金にまつわる情報を発信しておりますので、すでに私のことをご存知の方は、そちらのほうが馴染みがあるかもしれません。
山口貴大

株式会社バイアンドホールド代表取締役の“ライオン兄さん”こと山口貴大氏

 私は現在、「Financial Free College」(FFC)という金融と起業の総合マネースクールを経営しております。受講生の中に、50歳で3億円の金融資産を運用してFIRE達成した男性(Gさん)がいらっしゃいます。  Gさんは金融資産3億円、不動産が2億円で純資産が約5億円もあるので、読者の皆様には共感できない部分もあるかも知れません。とはいえ、いとも簡単にFIREできたわけではなく、株の暴落を受けて不安な日々を過ごすなど、現在に至るまでには紆余曲折がありました。  そこには資産運用のリアルなヒントがあるはずです。今回は、お金持ちに共通する悩みである贈与税の話題まで取り上げますので、ぜひ最後まで記事に目を通して頂けると幸いです。

父から継いだ会社は借金5億円「1年365日、2時間睡眠で働いた」

エアコン工事

※写真はイメージです(以下同)

 Gさんは15年前、空調設備などの建設業の会社を35歳の時に父親から受け継ぎました。しかし、それは“倒産寸前”だったのです。 「5億円の借金を抱えていたので、銀行からの貸し剝がしのプレッシャーは凄まじく、代表になってからの15年間、受け継ぐ前の6年間、合計21年間は年間365日は働いていましたね。  1日の労働時間は22時間で、2時間睡眠です。これだけハードに働いていたので、100円の重みが以前の何十倍にも感じるようになりました。洋服はユニクロ、ウーバーイーツなんて贅沢は、一度も利用したことがありません」  こうして命がけで借金を返済、気づいた時には黒字転換し、年商3億円の事業になっていました。

「もっと良い方法があったはず……」

 営業利益率は約50%と高かったので、役員報酬を多めに取っても会社には現金が十分に残りました。約10年間は役員報酬を年間5000〜6000万円も取っていたそうです。直近の3年間の役員報酬は年間9000万円……。この数字を聞けば羨ましい話に思えるのですが、その裏側には「地獄のような苦しみがあった」と言います。  そもそも所得税は累進課税で最高税率は住民税と合わせて55%も課されます。5000万円の役員報酬でも手残りは2200万円程度。役員報酬を多く取れば、そのぶん税金で持っていかれます。法人に現金を残し、M&Aか退職金でもらった方が節税できたのではないか?  私がインタビュー中にこうたずねると、Gさんは「もっと良い方法があったはずでしょうね」と苦笑いを浮かべます。
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事業継承してから消えない不安
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金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。2021年10月4日(証券投資の日)に「資産運用をしよう」という言葉をTik Tokで世界一広めてギネス認定される。YouTubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」を運営。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

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