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犬を飼って3日で「なんか違った」と飼育放棄…犬猫の保護活動でみた人間の“歪んだ常識”

シニア猫は保護されにくい現実

保護猫

こちらの施設で保護されている猫ちゃんのプロフィールが貼ってありました。保護経緯を読むと、いろいろな想いが込み上げてきます……

 見学させていただいた5つの部屋のなかで、一番人懐っこい猫ちゃんが多かったのが、シニア猫が多くいる部屋でした。人馴れしているシニアの猫ちゃんは、人間への接し方がとても愛くるしいです。しかし「シニアは人懐っこくて飼いやすいのに、歳をとればとるほど里親が決まりにくくなる」と、佐々木さんは教えてくれました。 「シニアでも、よほど人馴れしている猫なら里親が決まることもありますが、基本的には難しいです。里親が決まりやすいのは、2ヶ月以内の子猫。日本はなぜかペットを赤ちゃんから飼おうとする習慣があります。そこがよくないんです。『自分の年齢のことを考えて、飼うなら歳いった猫を飼おう』という選択肢が広まってくれれば、シニアの猫たちも里親が決まってくれると思うんですけどね」

シニア猫が保護されるようになるには

 シニアの猫ちゃんの里親が決まらないと、保護施設としても空きができず、結局新たな保護ができなくなります。そうなると野良猫が増えたり、地域によっては殺処分となってしまう猫ちゃんも増えてしまうのです。そういった猫ちゃんを減らすための1つとして「シニア猫の里親を見つける」ということが挙げられます。
保護猫問題

シニアの猫は特に人懐っこい印象でした

 ただ、ペットを飼いたいと思う一般の人からすると「子猫を飼いたい」と思う気持ちもわかります。では、どのようにすればシニア猫を積極的に保護してもらえる世の中になるのでしょうか。佐々木さんは「国で動いてくれないと難しい」と語りました。 「例えば国が『シニア猫を保護したら10万円の補助金を出す』みたいな援助をしないと難しいでしょう。もう民間だけでは無理な問題なので、そろそろ日本も国として保護問題に目を向けてほしいです。  もしくは発信力のある有名人が『シニアの犬猫を積極的に飼おう!』と言ってもらえると変わっていくかもしれません。この問題に関心を持ってくれている人は、可能な限り発信をしてほしいです
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犬が認知症になったときの症状とは
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元女子競輪選手。2021年の「ガールズケイリングランプリ」で優勝し、年間賞金女王の称号を手にする。2022年5月に競輪選手を引退。その後は保護犬・保護猫活動に取り組み、自身がメインとなるトークイベントやnoteなどのSNSで活動の発信を行なっている。Twitter:@g_mkb
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