更新日:2023年08月24日 14:35
エンタメ

小池栄子が生き残り続けるワケ。水着イメージを早々に払拭した演技力とキャラ

女優としての高評価は最近じゃない

小池栄子

「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」番組公式HPより

 女優の小池栄子(41)が売れっ子なのは今さら言うまでもない。現在はNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で政子を演じる一方、フジテレビの月9『競争の番人』で公正取引委員会の主査・桃園千代子に扮している。小池は「仕事を趣味にして生きている」(8月21日、アフラックの記者会見)そうだから、満足な状態のはず。目下の悩みは「もっとお芝居が上手になりたい」(同)とのことなので、正真正銘の仕事人間である。  小池が女優として急成長したのは最近と見る向きもあるようだが、それは違う。早くから女優として高く評価されていた。27歳だった2008年には死刑囚(豊川悦司)と獄中結婚する主人公を演じた映画『接吻』で毎日映画コンクールなどの主演女優賞を受賞した。  2016年には読売演劇大賞の最優秀女優賞を得ている。舞台に立つ人間なら誰もが憧れる賞だ。2002年には大竹しのぶ(65)、翌2003年には寺島しのぶ(49)が獲っており、受賞は演技巧者であることの証明でもある。

好感度の高さは女優業以外にも

 にもかかわらず、なぜ女優としての実績を認識してなかった向きもあるのかというと、情報番組やバラエティでも引っ張りダコだからだろう。18年も続いているテレビ東京の経済情報番組『カンブリア宮殿』では作家の村上龍氏(70)と共にMCを務めている。フジテレビ『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』の司会もやっている。10月から再開されるTBS『クレイジージャーニー』でも松本人志(58)らと司会を務める。  女優として売れっ子でありながら、これほど情報番組やバラエティに出る人は極めて珍しい。演技力は別とし、本人のキャラクターも視聴者受けするので、番組にとっては魅力なのだ。  そのキャラはよく知られているとおり。飾り気がなく、異性にも強者にも媚びず、力強さと明るさと清潔感があり、知的でフェア。引く手あまたとなるはずである。  企業は小池が世間から好かれていることをよく知っている。小池が出演中のCMはアフラック、味の素、花王、ソフトバンク(ワイモバイル)など10社。40代以上の芸能人ではトップクラスだ。CMの多さは好感度の高さを表す。企業は芸能人をCMへ起用する前、その芸能人が消費者にどう思われているのかを徹底的に調べるためだ。  好感度の高さは女優業にもプラス。視聴者や観客は女優のキャラをどこかで意識しながら演技を見ているからである。吉永小百合(77)を始め、大物女優や人気女優と呼ばれる人たちは例外なく好感度が高い。テクニックがあるだけで大女優や人気女優になるのは難しい。
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タクシー三昧だった幼少期の告白にも
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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