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シン・ロマンポルノ女優4名が緊急座談会。蘇る昭和エロス、濡れ場は「アクションみたい」

面白い人間賛歌

白石晃士監督作品『愛してる!』

白石晃士監督作品『愛してる!』(9月30日(金)公開)

──ほかの映画にはないロマンポルノの魅力とは? 『手』福永:男女がいい雰囲気になってセックスするのは普通の流れではあるけれど、通常のドラマや映画ではそこはすべて省かれます。それは日常を切り取っているようでいて、実はそうではない。ロマンポルノでは男女の性愛を省くことなく一つ一つ丁寧に、過程からすべてを撮るから日常を見つめることができている。それがロマンポルノならではの魅力だと思います。 『愛してる!』川瀬:ロマンポルノの魅力は、その時代の女性の生き方や職業を性で結び付けて知ることができるところにあると思います。現代の性産業はしかたなくやっているような昔の捉え方とは違い、セックスやSMが好きだから第一志望で入って来るような人もいる。地下アイドルも同じで、好んで自分から地下アイドルを選択する人もいる。そんな時代の変化を象徴する地下アイドルとSMの女王という二つの役柄をやらせてもらったのは凄く良かったと思います。 『百合の雨音』小宮:ロマンポルノは前提として性を肯定しています。人間誰でもご飯を食べるように、セックスもするということが温かくも赤裸々に描かれていて、まさに面白い人間賛歌だと思いました。 『百合の雨音』花澄:ロマンポルノとは、女性が自分自身を堂々と解放できるジャンルだと思いました。女であることを素っ裸で感じられるというか、お芝居の中で自分のすべてを解放できるのは素晴らしいことだと思います。

性差を超えてたくさんの人に

【日活ロマンポルノ50周年企画】シン・ロマンポルノ女優4名

シン・ロマンポルノ女優4名 左から、福永朱梨 川瀬知佐子、小宮一葉、花澄

──『ROMAN PORNO NOW』に興味を持っている方々に是非アピールを! 『手』福永:アピールできるポイントはただ一つ。「観たら絶対に面白いから!まず映画館に来て!」ということです。俳優さんが気になる、監督が気になるなど、どんな理由でも構いません。気になることがあったらとにかく映画館に足を運んでほしいです。しかも3作品それぞれテイストが違うので、見比べる楽しみ方もありだと思います。 『愛してる!』川瀬:私の『愛してる!』に関していうと、観たら必ず元気が出る作品です。映画館はシェルターのようなものだと私は思っているので、元気をもらいに映画館に逃げ込んできてください! 『百合の雨音』小宮:役を演じる際に私が意識したのは「女性にも観てほしい」ということ。『ROMAN PORNO NOW』はかつてのロマンポルノのように男性だけをターゲットにした作品ではないので、女性が気軽に観て「面白かった!」と言えるような作品を目指しました。是非とも女性の方々に観ていただきたいです。 『百合の雨音』花澄:とにかく色眼鏡なく、性差も超えてたくさんの方々に観ていただきたいです。そして『百合の雨音』は女性の解放という視点で過去のロマンポルノとは違いますが、金子修介監督というリアルタイムでロマンポルノに関わっていた監督の作品でもあるので、ある意味で王道のロマンポルノになっています。とても不思議な味わいのある作品なので是非ご覧ください。 (取材・文/石井隼人)
1984年生まれ、映画好きフリーライター!インタビュー、取材、レビュー、オフィシャルカメラマン、オフィシャルライター
…なんでもやるのでいつでもどこでもなんでもお仕事の御用命お待ちしております!映画パンフレットも結構書いてます!買ってください!
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