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SNS総フォロワー数340万人のアニメ作家を直撃「あえて制作期間は2日から5日に絞っています」

“見てほしい物語”を中心にしたアニメ作り

 安田さんの作品は短く、セリフもないのに、長いアニメを見ているかのような感覚になる奥行きが特徴だ。こうした作品にはどういった想いを込めているのだろう。 「自分はどんな絵作りがしたいかよりも、見てほしい物語は何かということを主軸にアニメを作っています。物語のネタは日頃考えているものから、昔考えていたものまで様々ですね。  見聞きしたものすべてがネタになりうるので、ときには散歩してネタを探すことも(笑)。作品によく登場させている古民家は、そうした散歩で得たネタから制作のヒントをもらっていますね。  あとは、自主制作はいくらでも時間をかけられてしまいキリがなく、物語を出すことを目的として、絵作りにこだわりすぎないように、あえて制作期間は2日から5日に絞っています」  作品への想いを語ってもらったところで、安田さん自身が制作し、特に印象に残っている作品があればお聞きしたい。 「“呪いの人形シリーズ”です。自分はSNSならではのアニメ作りをしたいと思っており、近年多くの漫画家さんがSNSで自主的な連作漫画を投稿しているのを見て、アニメでもやれないかと作ったのがこのシリーズ。できることのラインを引いて構想を練り、あとは演出で魅せることにこだわりました。反響を見るとうまくいったのかなと思います!」

ゲーム会社から転職、フリーのアニメ作家に

 驚きのスキルを持っている安田さんだが、その腕は専門学校で3DCGソフトの使い方を学ぶところから始まったそうだ。その後ゲーム会社に就職。数年経験を積んだのちに、フリーのアニメ作家に転身したという。 「勤め人だった当時は3Dアニメーターとしての立場で色々企画に関わっていくにはそれなりの熱量が必要でした。  なので、フリーのアニメ作家になるという選択肢を選びました。自主制作は良くも悪くも自由です。一人ではマネタイズが難しいというデメリット以外は、個人的にはメリットしか感じません。たとえ花開かなくとも、自主制作でのみ企画を進めようというのは、早い段階で決断していました」
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評価を得られるようになったのは、ここ3年程度の話
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