お金

2023年の1月は2022年の13月? 競馬で絶対やってはいけない禁断の買い方と回避法

負けている状況がさらに負けを呼ぶ悪循環

競馬

2021年のホープフルS。ホープフルSが終わっても、すぐ年明けの5日から競馬は始まる

 例えば、その日1万円プラスで迎える最終レースと3万円マイナスで迎える最終レースで考えてみます。そこで、3連複を買って1万円のプラス収支になるとして、勝っている日だったら最終で倍増できて大満足となるはずです。では、負けている日だとどうでしょうか? 「少しでも負け額を減らせて次週に繋がる」と冷静に考えられれば問題ありません。しかし多くの場合、だったら3倍の金額を賭ければチャラになる、あるいはもっと高配当を狙って3連単にすれば一発逆転できるかもしれない、と考えてしまいます。  負けている場合と勝っている場合では、同じ価値のものでも見え方が変わり、プレイの仕方自体が変わってしまうのです。これは心理学においても証明されているパターンで、いわば人間の普遍的な性質なのですが、理解していないと結果として損している状況下ではますます損失を増やすことに繋がってしまいます。まさに、勝ちが勝ちを呼び、負けが負けを呼ぶのです。  本来は負けている時でも勝っている時でもお金の価値は変わりません。ところが、1万円が2万円になることには喜びを感じても、マイナス3万円がマイナス2万円になることには喜びを感じづらくなってしまうのです。

取り返そうとして負債を増やさないためにできることは?

 JRAの売り上げも、ファンの取り返したい心理を証明しています。というのも、メインレースの次に多く売れるのはたいていの場合最終レースなのです。先日のエリザベス女王杯当日も、メインの次に売れたのは最終12レースで約20億円。3番目に売れた10レースは約10億円ですからおよそ2倍の売り上げがありました。それだけ多くのファンが最後の一発逆転に夢を見ているということです。  ただ、ほとんどの場合それは夢で終わります。だからこそ、勝つためには対策が必要です。  1つめは、そもそもの心持ちとして、またすぐに来週が来るという余裕を持つことです。中央競馬は日曜の12レースで終わりですが、次週の土曜の1レースも考えてみれば日曜の13レースのようなものです。週ごとに完結するわけではないですから、慌てて取り返そうとする必要はないということです。それは年単位でも変わりません。2023年の1月は、2022年の13月です。  もう1つは、そもそも最終レースで慌てて取り返そうとするとわかっているならば、あらかじめ予想をしておくことです。急いで買うことは精度を下げることに繋がりかねません。メインレースの後のわずかな時間で慌てていい加減な予想をするくらいなら、最初から最終レースで買う馬に目星をつけておく、あるいは馬券を買っておけば良いでしょう。  今の競馬は予想力も大事ですが、資金管理やメンタル、さらには馬券の組み方など、予想力以外の力がより重要になります。年末へ向けて負けを増やさないためにも、予想力以外のチカラに目を向け、冷静に馬券を楽しみたいですね。 文/TARO
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。
馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる

TARO氏が『馬券力』について徹底究明した一冊。

1
2
勝SPA!
おすすめ記事
ハッシュタグ