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偏差値35、いじめられっ子が東大合格できた理由。エリートへの反骨を糧に

恩師の言葉が発奮材料に

東京大学の赤門 そんな彼の転機は、高校に上がってから、恩師との出会いにありました。 「高校一年生から二年生にあがるときのことでした。恩師に呼び出されたんです」  音楽の先生をしているというその先生は、西岡さんに「お前はそのままでいいのか?一生いじめられっぱなしでいいと思うのか?」と問いかけたと言います。 「もちろん、嫌だ……とは言いませんでした。僕の答えは『いいんじゃないんですか?』だったんです。だって、僕の人生はずっといじめられっぱなしだったから。頑張ってるのに、努力してるのに、まったく成果が出ない。報われるか分からないのに頑張るだなんて、馬鹿みたいだって、そう思ってたんです」  そんな西岡さんを、先生は強く叱りました。「お前は自分でそう思っているだけなのだ。自分にできることなんてないと思っているだけなんだ」と。 「先生は、人はみんな『なれま線』という線に囲まれているんだという話をしてくれました。本当は何にでもなれるはずなのに、勝手に自分で限界を決めて、線のうちに閉じこもってしまうんだと。そして、僕はその線が極端に狭くなっているだけなんだと」  当時を振り返りながら「あの話は妙に納得感があった」と語ります。そして、同時に「頑張ったら、この線を越えられるのかもしれないのか」とも考えたそうです。では、これからいじめられなくなるために、何をすべきか。二人で一緒に決めた目標が「東大」でした。

自らの劣等感を糧に勉強

 そこからは毎日勉強を頑張ったといいます。その時、一番苦労したことが「自らの勉強習慣の無さ」でした。長時間集中して机の前に座るという習慣がなかったので、「勉強をするために机に向かう」こと自体が、大きな壁となって立ちはだかったのです。  集中したくても、そもそも集中する習慣がない。「周りの勉強ができるクラスメートたちは難なくこなすのに、自分にはできない」と大いに苦しんだと言います。  ですが、この難題を解決したのもまた、周りの人たちのおかげでした。自分よりも成績がいい人の隣に行き、「この人にだけは絶対負けない」と、自らの劣等感からくる叛逆の意思を糧にして勉強したのです。  最初のうちこそ苦戦したものの、いずれスルスルと成績は上昇していき、二浪の末に東京大学に合格できたのでした。  いじめ、妬み、嫉妬……いわゆる東大生のイメージとはかけ離れたところにあるような体験をされてきた西岡さん。ですが、普通の東大生では拾えない経験があるからこそ、様々な分野で活躍することができているのかもしれません。  次回の記事も引き続き、西岡さんの現在の活動内容について伺っていきます。<文/布施川天馬>
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa

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