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紅白歌合戦が抱える「すべての世代に共有される音楽」というムリゲー

初出場歌手の選出は理にかなっているか?<紅組編>

「緑黄色社会」オフィシャルホームページより

「IVE」は韓国の6人組女性アイドルグループで、うち1人は日本人。10月にリリースした『ELEVEN -Japanese ver.-』はオリコンの週間チャートで4位になった。 「ウタ」はアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』のキャラクター。歌唱担当は覆面アーチストのAdo(20)である。8月に出たアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』は同チャートで2位になっている。 「Aimer」はアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」(フジテレビ)のオープニングテーマ「残響散歌」とエンディングテーマ「朝が来る」を歌った女性アーチスト。年齢は非公開。1月にリリースされた『残響散歌/朝が来る』は同チャートでトップになった。 「緑黄色社会」は男女4人組のポップロックバンド。11月に出た『ミチヲユケ』は同18位に。この曲はドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ)のエンディングテーマだ。「LE SSERAFIM」は韓国の5組女性アイドルグループ。うち2人は日本人である。10月発売のミニアルバム『ANTIFRAGILE』はBillboard JAPAN週間アルバム・セールス・チャートで1位になった。

白組の初出場歌手は?

 みんな売れている。白組の初出場5組もそうだ。その5組とは次の通り。  3人組ロックバンド「Saucy Dog」、韓国で行われたオーディションで生まれた日本人11人のボーイズグループ「JO1」、22歳のシンガーソングライター「Vaundy」、7人組ボーイズグループ「BE:FIRST」、ジャニーズ事務所所属の7人組アイドルグループ「なにわ男子」。中高年以上の認知度は高くないかも知れないが、若者の間ではよく知られている。  逆にベテランの紅白常連組には今年のヒット曲がない人もいる。それどころか、最近ずっとヒットがない人も。若者側にはこちらのほうが不思議かも知れない。  なぜ、紅白の人選が物議を醸すようになったのか? まずSNSの普及が影響しているのは間違いない。同じ意見の人が連帯するようになった。
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「#紅白見ない」が生まれる時代背景
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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