更新日:2022年12月17日 20:05
エンタメ

M-1準決勝、元ファイナリストが「最初のボケで決勝進出を確信したコンビ」

◆Aブロック

金属バット

金属バット

 トップバッターは毎年恒例である準々決勝で敗退した漫才師の中から、動画サイト「GYAO!」にアップされたネタ動画の視聴数ナンバーワンコンビだけが準決勝に勝ち上がれる「GYAO!ワイルドカード」で復活した「金属バット」だ。  ラストイヤー組や昨年のファイナリストが準々決勝で軒並み敗退し、さまざまな媒体で「波乱」という言葉が踊ったが、これは逆に「奇跡への序章」ではないかと考えた俺は、この奇跡を起こせるのは「金属バット」しかいないと考えていた。  何度も決勝進出すると目されながら敗れ去った過去。昨年は敗者復活戦で第2位。あと一歩のところで夢に届かなかった。そしてラストイヤーとなる今年、準々決勝で一度は破れるも復活。しかし、準々決勝のネタは危険な部分もありながらも出来はよく、俺は爆笑した。

隠しきれなかった緊張感

「Gyaoワイルドカード」で復活した漫才師は準決勝で敗退すると敗者復活戦には出られない。そして、ここから決勝進出した漫才師はいまだに存在しない。彼らならやれると信じて漫才を注視した。  しかし、ツッコミ担当友保君は準決勝当日が新型コロナウイルス感染による隔離からの復帰日であり、療養先のホテルから会場入りしたようで2人の緊張がオンライン視聴している画面から伝わってきた。  ボケ担当の小林君はネタ中に左手を上げるのだが、その手が震えているのだ。その後、左手に右手の指を置くのだがそれが合わない。調整、練習不足からなのか、ラストイヤーに掛ける思いからなのか、普段の彼らの姿はそこにはいなかった。「金属バット」のM-1グランプリは幕を閉じた。
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M-1タイトルを関西に持ち帰れるか?
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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