更新日:2023年01月31日 09:49
スポーツ

ガールズケイリン女王が「グランプリの裏話」を語る。負けた6人は何を話すのか

レース後に分かれる“明”と“暗”

高木真備さん

昨年、グランプリを優勝した直後に行われた勝利者インタビューの様子。 
提供:公益財団法人JKA

 そしてレース終了後は「明暗くっきり」となる裏側があるようで……。昨年、優勝した時に経験した“明”、そしてそれまで4回経験した“暗”についてを、高木さんは赤裸々に語りました。 「レース終了後は、グランプリで優勝した人と2着以下の6人と、まるで行動が変わります。 優勝した去年は、ゴールして帰ってきた後にインタビュー受けて、すぐに別の部屋に移動して大量のサインを書きました。そのまま、また付き人みたいな人がついてくれて、そこからは取材を受け続ける流れです。それは前検日と同じなのですが、前検日は出場する7人のためにいる記者さんたちですけど、今日は優勝した人のためにいる記者さんたちで、みんなが『おめでとう!』と言ってくれて……。この特別感は堪らなかったです。 それまでの『勝てなかった6人のうちの1人』だった4回は、レース終了したその時点で終わりでした。裏での“どんよりとした重い空気”は独特で、みんな無言のまま淡々と帰る支度を始めます。部屋に入ったときは『1年間お疲れさま』というムードも少しはあるんですけど、やっぱりみんな落ち込んでいるので、基本的にはあまり喋らず、最後に一言挨拶して帰って行く感じでした。あの時の空気感も忘れられません」

引退後初めて観るグランプリに対する想い

 最後に高木さんは、今年のグランプリに出場する選手に対しての想いを語りました。 「選手時代に自分が出られなかったグランプリを観たときは、悔しい気持ちでいっぱいになりました……。でも今年はそういった気持ちはないですし、出場する皆さんがどれだけ大変だったかが身に染みてわかるので、誰を応援するとかではなく、純粋に皆さん頑張ってほしいと思っています」  競輪だけでなく、公営競技のビッグレースの後は、優勝した人だけが注目を浴びるもの。しかしその裏には、その日に向けて必死で仕上げてきたのに身を結ばなかった選手がいます。自分が買った車券に一喜一憂することが公営競技の醍醐味だとは思いますが、人間である選手の脚力が勝負を左右する“競輪”だからこそ、負けた選手の気持ちも考え、今後の発信やレースに注目してみることも魅力の一つなのではないでしょうか。 取材・文/セールス森田
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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