更新日:2023年01月31日 09:49
スポーツ

ガールズケイリン女王が「グランプリの裏話」を語る。負けた6人は何を話すのか

 ガールズケイリンの人気筆頭格として、1つの時代を牽引してきた高木真備さん。昨年末、デビュー当時から目標に掲げていた「オッズパーク杯 ガールズグランプリ2021優勝」を見事に達成。年間賞金女王の称号を獲得し、「やり切った!」という気持ちで今年5月に選手を引退しました。現在は保護犬・保護猫活動を行なっています。  そんな高木真備さんに元ガールズケイリン選手としての、さまざまな裏話を聞いていく当連載企画。4回目となる今回は、毎年年末に開催される「グランプリ」についての話を聞きました。

グランプリまでの調整方法とは

 過去に5回「ガールズグランプリ」に出場した高木真備さん。5回目となった昨年末に初優勝を成し遂げるまで、さまざまな苦悩があったそうです。
高木真備さん

2018年の「ガールズグランプリ」に出場した際の高木真備さん。開催当日に絶好調のピークに持っていくための苦労について語りました。 
提供:公益財団法人JKA

 高木さんが最初に語ったのは、グランプリ出場メンバーが決定してからの1ヶ月の過ごし方について。「大一番の勝負に向けた調整方法は人それぞれなんです」と、高木さんは話しました。 「出場が決まってからの1ヶ月は人それぞれですね。落車やケガなどのリスクを考えてレースを休む人と、『仮想グランプリ』としてレースに挑む人とで分かれます。 私は何年かは出ていました。1ヶ月空いてレース感が鈍ってしまわないようにと思って出ていましたが、とある年は落車、とある年は失格と、最悪な結果になったことがあったんです。だから優勝した去年は出てないですね」

グランプリ3週間前に肉離れに…

高木真備さん

2020年、平塚競輪場で行われたガールズケイリングランプリの前検日に撮影。この年は惜しくも3着という結果だった。 
提供:公益財団法人JKA

 昨年は1ヶ月レースに出なかったと語る高木さん。しかし残り1ヶ月のところで、とんでもないハプニングが起こってしまったそうです。 「レースには出ていなかったのですが、去年は最悪でした。11月は競輪祭までほとんど休みなくレースに出続けたので、かなり疲れが溜まっていて……。12月に入って1週間休んだのですが全然回復せず、でも残り3週間くらいしかないので『練習しないとマズい』と思い、無理やり練習したんです。そうしたら、練習中に肉離れしてしまいました……。 それで自転車に乗れないまま更に1週間が過ぎて、グランプリまで残り2週間の時点で全く練習できておらず、『終わった……』と思っていましたね。 結果的に肉離れを治してから2週間練習して優勝できたので、私としては2週間の練習がちょうど良かったのかもしれません。だから本当にグランプリの当日にピークを持っていくのは難しく、出場する選手にとっては永遠のテーマとも言えますね」  なお、今年のグランプリに出場するガールズ選手で1ヶ月レースに出場していないのは、石井寛子選手と尾方真生選手の2人。他の選手は、グランプリを意識したレースをしているとのコメントを残しています。予想する側としては、単なる実力だけでなく「1ヶ月間どのように調整しているか」をコメントでチェックすることも必要かもしれません。
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グランプリならでは「選手の集合写真」の裏話
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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