たしかに、近年では東大生がテレビや雑誌などのメディアに出演することも珍しくありません。ですが、従来の感覚では、どちらかというとエリート、堅実志向というイメージがあるのではないかと思います。いったいどうして、彼女はそのような活動に参加するようになったのでしょうか？ 「きっかけは、私自身が高校生だった頃にさかのぼります。ある勉強合宿に参加したとき、大学生の方がご自身の受験経験や大学での研究についてお話してくださいました。どの方もとても優しくて、たくさんのことを教えてくださって、数年後、私もこの方々のようになりたい……！　と強く思いました」 　この経験が忘れられず、大学生になったら自分も高校生を応援する活動がしたい、高校生の背中に寄り添えるような活動がしたい。心の底からそう考えたからこそ、現在のような活動に打ち込んでいるのだと言います。 　ひとくくりに高校生といっても、一人ひとりは違う人間ですから、それぞれの大事なものや大事にしたいものがきっとあるはずです。部活動や習い事、自分なりの夢など、勉強に限らず、一人ひとりにとって大切な「自分の居場所づくり」を応援するような活動がしたいとのこと。筆者もお話を伺いながら、自分の高校時代などを思い返して、すこし懐かしくなるような心地がありました。