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元レースクイーンが社長に転身「融資が降りず給与ゼロ」を乗り越えて

30歳目前で社長に転身「ずっとレースクイーンはできない」

浅井マリカ こうした地道な努力を重ねたことで、浅井さんは2019年シーズンの「スーパーGT」のオーディション選考を通過し、悲願だったスーパーGTのレースクイーンに。  日本最高峰の自動車レースとして名高いこともあり、スーパーGTのレースクイーンを務めたことで、ラウンドガールや東京ゲームショウなど、芸能の仕事も決まりやすくなったという。  そんな折、2019年末に不動産関係の知人から物件を紹介されたのが、撮影スタジオの経営に携わる契機となった。 「物件を見た瞬間に『これは撮影スタジオにぴったり』だと思い、知人に伝えました。そうしたところ、私の意見が採用されて撮影スタジオをオープンすることになったんです。自分にとって、これはまさに好機だと感じましたね。というのも、ずっとレースクイーンの仕事はできないと思っていて、30歳目前にはセカンドキャリアを歩みたいと考えていたからです」  事務所のマネージャーになるか、結婚して家庭に入るか、就職して会社員になるか。  そのどれも選ばず、起業の道へ進んだのは「昔から経済番組を見るのが好きだったのが大きい」と浅井さんは言う。 「特に芸能人の推しはいなくて、ずっと社長に憧れていたんです。レースクイーン時代にも撮影会モデルもこなしていたこともあり、自分でアイデアを考え、ゼロから撮影スタジオを作れるチャンスをいただいたので、『これはやるしかない』とやる気十分でした」

「最初の1年をどう乗り越えるか」スタジオの切り盛りに奔走

撮影スタジオ

撮影スタジオ「studio 0 story」の様子(写真はインスタグラムより)

 2020年3月、東京・押上に「studio 0 story(スタジオゼロストーリー)」をオープン。ちょうどコロナ禍に差し掛かっていたこともあり、4〜5月の緊急事態宣言下では一人でスタジオに入って、インスタで写真を投稿したり、集客サイトに登録したりと準備を進めた。  6月以降は予約が埋まるようになり、さらには自身で撮影会も月4回主催。レースクイーン時代の人脈を生かし、知人のモデルやレースクイーンを集めたとのこと。
モデル

撮影会を主催する浅井さんだが、自らモデルを務めるときもあるそう(写真はインスタグラムより)

「撮影会はうまく回すことができれば、収入の柱になるんですが、今まで出演者側でしか関わったことがなく、主催するにあたっては苦労も多かった。出演オファーの有無、衣装の詳細、SNSの告知依頼など、とにかく撮影会モデルを務める女性にこまめに連絡することを意識していました。  予約の管理から会場のセッティング、当日の進行まで全て自分ひとりで運用しなければならないため、結構なハードワークです。撮影会モデルをキャスティングしてファンを集めるという、やっていることはシンプルだと思います。でも、最初の1年をどう乗り越えるかが勝負だと感じていたので、とにかく毎月必死でしたね」
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融資が降りずに2ヶ月間は自身の給与はゼロ
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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