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元レースクイーンが社長に転身「融資が降りず給与ゼロ」を乗り越えて

融資が降りずに2ヶ月間は自身の給与はゼロ

スタジオ 1店舗が軌道に乗り始め、2022年10月には南麻布に2店舗目となる「studio 1 story(スタジオワンストーリー)」を出店。 「どれだけ予約が入るのかは未知数だった」と語る浅井さんだが、地の利の良さや法人需要を見据えて、設備投資や内装費におよそ200万を投資したという。 「実は2店舗をオープンした頃が、経営者としての大変さを身に沁みて感じたときでした。会社の資金と自分の貯金を少し出して投資したんですが、頼みの綱だった日本政策金融公庫の融資が下りなかったんです……。なので、2店舗を出してから2ヶ月だけは自分の給料は未払いにしました」  南麻布のスタジオは、制作会社の撮影や芸能人の衣装部屋としての利用ニーズを捉え、予約が入るようになった一方、平日の稼働が課題となっているとのこと。

365日仕事モード「社長は主役ではない」

 起業家になった現在の率直な心境について、浅井さんは「社長が主役ではないことがわかった」と吐露する。 「憧れだった社長にいざなってみたら、『売上は自分ではなく、他の人が作る』ことに気づいたんです。そのため、撮影会に来てくれるモデルさんや足を運んでくださるファンの皆さんのことを常に考えるようになりました。気持ちとしては全員にファンサービスしているような感じです(笑)。  また、会社員のように休みはなく、社用ケータイには毎日電話がかかってくるので、『365日仕事モード』が続き、気が抜けない状況ではあります。ですが、以前のイベントコンパニオンをやっていた頃よりも、自分が生活するくらいのお金は稼げているので、もっと事業を成長させていこうと日々頑張っています」  今後は撮影スタジオを7店舗にまで拡大していきたいと意気込む。  浅井さんが将来描いているのは「レースクイーンのセカンドキャリアを支援する」という青写真だ。 「撮影スタジオの数を増やし、私がいなくても店舗が回るようになったらFC展開も視野に入れています。レースクイーンは撮影会の主催ができれば家賃は十分に払っていけるので、あとはスタジオとしての認知度を高めることができれば、ビジネスとして回していけると思うんです。 私自身も、ファンの皆さんのおかげで、レースクイーンを続けることができ、今の自分がいる。そう感じていて、非常に感謝の気持ちでいっぱいです。元レースクイーンがFC店舗のオーナーになり、第二の人生を歩めるような基盤づくりを目下の目標に定め、これからも事業に尽力していきたい」 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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