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「化学系YouTuberの影響が大きい」メイク&コスメの2023年トレンド予測

動画コンテンツの隆盛でプロのメイク術が誰でも試せるように

 写真や動画映えを意識してSNSに投稿するのが日常になり、トータルバランスを考えた“差し引き”が重視されるようになったことで、メイクトレンドも昔と比べ、より繊細になったと言えるのではないだろうか。  メイク術に関しては、インスタライブやYouTubeなどの動画配信で美容家やメイクアップアーティストなどプロから知識を学ぶのが身近になったことで、バリエーションに富んだメイクアップに挑戦しやすくなっているという。 「昔は女優やモデルといったアイコンに憧れを持ち、メイクも真似てみるといった流れがありましたが、プロのメイク術が誰でも容易に実践できるようになった今、『憧れの対象』もより細分化されてきているような状況です」

化学系YouTuberの影響で「お値段以上」のコスメが売れ筋

原田彩子

株式会社アイススタイル リサーチプランナーの原田彩子さん

 コスメについてはプチプラ(値段が安いコスメ)やデパコス(デパートで売られているコスメ)など多種多様な商品があるなかで、どのようなものがニーズを伸ばしているのか。 「コンビニやスーパーで気軽に買える低価格帯のプチプラ、デパートの化粧品フロアで販売されている高価格帯のデパコスに分けられることが多いです。また、誰もが知る有名な化粧品ブランドは中価格帯のものも多く、そちらも比較的ポピュラーだと言えます。そのなかでも、昔は大手のブランドが中心だったものが、近年はD2Cブランドやインフルエンサーや美容家監修のブランドなど、商品の多様化が進んでいる所感を抱いています。  また、コロナ禍で『自分の生活圏の中でコスメを買いたい』という需要も喚起されました。近場で良いクオリティのコスメを探そうと、ドラッグストアで買える『ドラコス』を手に取る消費者も増えていて、コスメ選びにおける幅の広がりを実感しています」  特に売れ筋なのは、メイクアップアーティスト監修のプチプラコスメなど、価格以上のクオリティがあるものが選ばれているという。  いわばコスパの高いコスメが人気なわけだが、「元化粧品会社、元研究職、元皮膚科など、成分など理系の専門知識のある化学系YouTuberの影響が大きい」と原田さんは言う。  加えて、スポンジやブラシなどの化粧道具も高品質のものを使用することで、デパコス並みのメイクに仕上げることが可能になるそうだ。
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化粧ポーチは持ち歩かなくなる?
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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