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東大生の「3人に1人は東京出身」。地方から東大を目指すハードルとは

教育格差をなくすカリキュラムとは

試験勉強をする女子学生 リモート

写真はイメージです

 個別指導塾「メアライズ」を立ち上げようと思ったのは、大学三年生になったとき。「メアライズ」という名前は「学習には学んだことを忘れないことが重要」という理念が反映されており、「メモライズ(記憶する)」と「リアライズ(実現する)」という二つの言葉を組み合わせた言葉だそうです。  さらに、この塾は、様々な理由から実際に塾に行くことができない生徒のために、オンライン学習塾という形態をとっているそうです。もとは友人とたった二人で起業したこの塾ですが、いまでは同じ思いを持った東大生講師が10人以上在籍しているのだとか。  実際に自分が動くことで、この日本に存在する教育格差をなくしていこうとしている仲間さんですが、実は、個別指導塾「メアライズ」以外にも、様々な形で教育格差をなくしていこうとしているそうです。いったい、どのような活動をされているのでしょうか。 「僕たちの教育理念は『すべての人に、質のいい教育を届けること』です。オンライン学習は、この理念の一部にすぎません。やっぱり、直接向き合って話したり、教えたりすることでしか伝わらないこともありますから。ですから、オンライン学習塾だけではなく、対面形式での講演会や相談会も開いていきたいと思っているんです」  新型コロナウイルスが蔓延してから盛んになった「テレワーク」や「オンライン会議」ですが、オンライン化の波は大人社会にとどまりません。子供たちは、タブレットやパソコンなどを通した「オンライン授業」に参加して日々学んでいます。

沖縄×東大生プロジェクト

 しかし、実際に僕も学生としてオンライン授業に参加した経験があるのでわかるのですが、やはり実際に先生と生徒が向かい合って受ける授業でしか伝わらない、ライブ感のようなものは存在します。仲間さんは、このような対面でしか伝わらないような要素についても大事にしたいと考えており、そのために全国で講演会、相談会を開くことを考えているのだそうです。  その活動の第一号として行っているのが「沖縄×東大生プロジェクト」という活動。仲間さんの故郷である沖縄県の高校生の大学進学を応援するために、沖縄出身の東大生たちが勉強や進路の相談に乗ったり、自身の合格体験談を話したりする会を開いています。現在はオンラインでの活動ですが、今後は実際に東大生たちが現地へ赴くことも視野に入っているのだとか。 「東大はネットやテレビの向こうだけの世界じゃない。たしかに実在して、手の届くところにあるんです。僕たちは、まず、そういった事実を伝えていきたいんです。それを知ることで、勉強に対する考え方や取り組み方に少しでも変化が生まれ、目標に向かって頑張ろうとする人が現れたのなら、それ以上に嬉しいことはありません」  いまは沖縄県に集中しているが、これからはこの活動を全国に広げていきたいと話す仲間さん。彼の活動が拡大していけば、地方に生まれたからという理由で進学をあきらめるような子どもの姿も、やがてなくなっていくのかもしれません。すべての子どもたちが、思い思いの進路を描ける、そんな未来が見えるような気がしました。ぜひ、全国各地の学生たちにこの活動が伝わっていってほしいと思います。 <文/布施川天馬>
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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※本連載では、東大への逆転合格の道のりや在学中に活動されていることについて、お話いただける方を募集しております(東大在学中の方に限ります。休学中の方も含みます)。取材に伺い、詳しくお聞きします。
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