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東大生の「3人に1人は東京出身」。地方から東大を目指すハードルとは

 東京大学といえば、日本最難関クラスの大学。そこに通う学生の多くは、小さなころから塾通いをして名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」たちです。  しかし、それがすべてではありません。一部には、まったくエリートらしからぬ道筋をたどって東大に合格した学生もいます。ここでは、元落ちこぼれや休学経験者など、「普通の東大生」らしからぬ道を辿って東大へ入学した、みなさんの知らない「リアルな東大生」の姿をお届けします。  今回も前回に引き続き、東京大学三年生の仲間令さんにお話を伺っています。家族も友人も勉強する人がおらず、さらに沖縄の貧困家庭出身であったため、塾や予備校にも通えなかったという仲間さん。彼は中学生の頃に勉強の楽しさに目覚め、勉強でトップを取るために、参考書だけで単身で東京大学を目指す覚悟を決めたのでした。  勉強とはまったく無縁の環境のうえに、「塾なし」「金なし」という逆境から、諦めずに東京大学を目指し続けた仲間さん。本日はそんな仲間さんに、いま行っている活動と、将来の展望についてお話を伺います。 【前回記事】⇒「沖縄の貧困家庭から東大合格『周囲に勉強する友達はいませんでした』」

沖縄の学習環境から起業を決意

仲間令 東京大学

仲間令さん

「僕は、沖縄の出身です。正直、学習のための場所づくりが完璧に整っているとは言い難い環境でした。そのためにいろいろ苦労させられたこともあります。ですから、すべての人に平等に質のいい教育を届けたいと強く思ったんです。そのために、今は「メアライズ」というオンライン学習に対応した個別指導塾を起こして、運営しています」  受験において「都心にアクセスできること」は大きなアドバンテージになります。実際に、東京大学に通う学生も、なんと3人に1人は東京出身だというのです。いったい、どうして都心に住んでいることが利点になるのでしょうか。  それは、都心でしか「質のいい教育」が受けられないから。都内にいくつもの大型校舎を構えている超有名予備校であっても、ひとたび東京や大阪などの大都市を離れてみれば、まったくカバーできていないのが現状。「勉強するから塾に行きたい」と思っても、地方出身では「そもそも塾がない」という理由から、それが叶わないのです。

地方では「大学進学への熱量」に違いも

 さらに、地方にはもっと根深い問題も存在しています。それは「大学進学」への意識的なハードルの高さ。地元志向、就職志向の強い地方では、わざわざ上京してまで大学に進学するという意見が受け入れられないことも、そう珍しくはありません。  ましてや難関大学に挑戦しようとすることは、生徒本人にとっても、生徒を取り囲む家族や教員などの大人たちにとっても「考えもしない」非現実的なことである場合が多いのです。一方で、大都市圏においては子どもの教育に対する熱量が段違いに高い。これらのせいで、首都圏以外のすべての地方と首都圏では、受けられる教育の質について、明らかに差がついてしまっているのです。  仲間さんは、この現状に異議を唱えます。大学一年生の頃から抱き続けてきた違和感は、やがて「すべての人に、質のいい教育が届けられるべきだ」という確信へと成長していきました。この格差問題に切り込めるのは、この格差を超えてきた自分しかいないだろう、という思いから、彼に火が付いたのです。
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教育格差をなくすカリキュラムとは
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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※本連載では、東大への逆転合格の道のりや在学中に活動されていることについて、お話いただける方を募集しております(東大在学中の方に限ります。休学中の方も含みます)。取材に伺い、詳しくお聞きします。
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