「戦時下のウクライナ」を訪れた旅行作家が語る“ロシアの恐ろしさ”
ロシアによるウクライナ侵攻が2022年2月24日に開始。あれから1年以上経過したが、現在も終わりが見えない状況である。
旅行作家の嵐よういち氏が新刊『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』(彩図社)を出版した。そこでは、彼が2022年7月より戦時下のウクライナを含むロシア周辺国を“一般旅行者”として訪れたときの出来事がつづられている。旅行の経験を振り返ってもらいつつ、ウクライナ戦争の今後の展望についても聞いてみた。(記事は前後編の後編)
——今回、コロナ禍のせいで海外に行くのが久しぶりだったそうですが、以前と比べて違いを感じたことはありますか?
嵐よういち(以下、嵐):まず感じたのは、日本円が弱くなったな、っていう。たとえば、昔は東ヨーロッパに行ったら物価が安いと感じていたんですよ。ところが、今は全く安くない。今回の旅で物価が安いと思ったのはウクライナだけ。
日本もある程度はインフレを起こさなきゃいけないんですよね。給料も上げて、インフレ起こして。それがないまま20年、30年経っちゃったでしょう。今はどこの国もインフレ状態なんですよ。向こうに住んでる人はみんな「物の値段が高くなった」って言ってましたよ。
——今回の旅で訪れた国の中で、ウクライナ以外ではどこが印象に残っていますか?
嵐:ルーマニアは良かったですよ。実は当初は東ヨーロッパ中心の旅行記を書こうと思っていて、自分で言うのもなんだけどルーマニアの章では面白いことをたくさん書いたんですよ。でも、書籍を売るためにはウクライナ中心の内容にした方がいいということになって、ページ数の都合で泣く泣くカットされたんです。
——どういうところが良かったですか?
嵐:人もいいし、田舎の方は素朴な感じでいいですよ。ただ、郊外だと交通の便が悪すぎるので、レンタカーで回ってましたけど。
「物価が安いと思ったのはウクライナだけ」
東ヨーロッパ旅行としてはルーマニアが良かった
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『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』 ウクライナ侵攻から約半年後のウクライナ、そしてロシア周辺国をめぐる、旅行作家・嵐よういちの最新作! |
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