更新日:2023年03月08日 09:40
エンタメ

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アメリカで流行っていた眉美容に活路を見出す

施術

ブロウアーティストの施術の様子

「アメリカではブロウラミネーション(眉毛立ち上げパーマ)が流行っていて、日本の女性がネイルサロンへ行くような感じで、気軽に眉毛パーマをする文化があるんです。ただ、アメリカの眉毛スタイルをそのまま日本でやろうとすると、薬事法に引っかかってしまう。  でもなんとか実現できないかと、眉毛用のものでない美容商材の液剤を色々と試し、試行錯誤していきました。ありがたいことに、スタイリングする従業員の腕が非常によく、本場さながらのブロウラミネーションを再現できたこともあり、口コミで眉毛ワックスと、日本版ブロウラミネーションの施術を受けに来るお客様が増えていったんですよ」  あまりの盛況ぶりに、同業者からの偵察も相次いだという。さらなる事業拡大のため、液剤を自社開発し、美容サロン向けに施術を教える講習も開講。
眉毛用の液剤

HBLが自社開発した眉毛用の液剤

 2020年にハリウッドブロウリフト(HBL)を創業することに。 「自社開発の液剤と施術のスキルを提供するスクールですが、最初は小さく始めたんです。それが予想以上の反響になって。講習の予約対応をするためにひたすらLINEの返信をしていました。さらに、コロナ禍でマスク着用が定常化し、リップが今までのように売れなくなったぶん、『余ったお金で眉毛をプロにととのえてもらう』という美容トレンドも追い風になりました」

眉毛をサロンで整える文化を根付かせていきたい

スタジオ HBLは「ブロウアーティスト」という、眉毛における施術のプロを輩出し、新たな職業の確立を目指している。それゆえ、オンラインではなく対面での講習にこだわり、資格(ディプロマ)の取得に来る受講者に対し、スキルはもちろんプロ意識の大切さも伝えているそうだ。 「眉毛を通して、ただの美容ではなく、人生を変えられる」  このようなスタンスのもと、美容業界に新たな旋風を巻き起こし、今では全国7,000店舗以上のサロンに導入され、施術件数は100万人以上を超えるなど、創業から2年で年商10億円を売り上げるまでに成長した。 「ブロウアーティストの資格取得を機に独立して『人生が変わった』『夢だったオーナーになれた』などのお声もいただいていて、起業の機会や雇用の創出にもつながっています。今後はメンズ美容ニーズの高まりから、男性にも眉毛美容の魅力を広めていきたいですね。  眉毛はどうしても切る、抜く、剃るといったムダ毛処理としての認識が一般的なので、『眉毛の生え癖を改善し、毛流れを整える文化』を定着させたいと考えています。そしてブロウアーティストという職業も、スタイリストやネイリストのように、“憧れの職業”として知ってもらえるように尽力したい」 ——「七転び八起き」という言葉がある。度重なる失敗を経験しても、不屈の精神で立ち直る。まさにその言葉通り、波乱万丈を経験しながらどんなツラい出来事も原動力に変えてきた福井さん。芸能界引退後、現在は起業家として新たな人生を楽しんでいる様子だった。 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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