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“大量閉店計画”を進めるすかいらーく。苦境に陥った「3つの要因」

 株式会社すかいらーくホールディングスが2022年12月期に、55億7500万円の営業損失を計上しました。前年同期の182億1300万円の営業利益から一転、赤字へと転落しました。2023年12月期は60億円の営業利益を見込んでいますが、2022年12月期の期首予想は100億円の営業利益としていました。
すかいらーく

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 サイゼリヤは営業黒字化を果たしていますが、国内事業は依然として赤字。コロナ禍以降、ファミリーレストランは苦戦が続いています。その一方で、すかいらーくと同じく全国で3000店舗近くを展開するマクドナルドは好調です。その違いはどこにあるのでしょうか。

多くの飲食店を救った助成金収入

 すかいらーくが営業赤字に陥った要因は大きく3つあります。1つ目は時短協力金などの助成金収入を失ったこと。2つ目は原材料高に見舞われていること。3つ目は集客に苦戦していることです。
すかいらーく

すかいらーくのその他の営業収益(赤枠)※有価証券報告書より

 すかいらーくは2021年12月期に433億6800万円の助成金収入を得ました。  コロナ禍の2021年12月期の売上総利益(粗利)は1830億5900万円で、販管費は2034億2000万円。差し引き203億6100万円の損失ですが、400億円以上の助成金が得られたために黒字化していました。  これはすかいらーくがIFRSという国際会計基準を採用しており、営業外収益が営業利益の中に含まれているためです。

原材料高に苦しみ、本業で利益を出せず

すかいらーく

損益計算書(一部)※決算短信より

 2022年12月期は助成金収入が100億円程度まで縮小します。これは2022年3月にまん延防止等重点措置が解除されたことによるものです。  しかし、営業外収益や営業外費用の影響を除いても、2022年12月期は依然として87億円程度の赤字。つまり、未だ本業で利益を出すことができていません。すかいらーくを収益面で苦しめているのが原材料高です。
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