更新日:2023年03月09日 13:34
お金

“大量閉店計画”を進めるすかいらーく。苦境に陥った「3つの要因」

100店舗の閉鎖を決定

 そして、最も頭を悩ませているのが集客です。すかいらーくは2023年1月の既存店の客数が前年同月比10.0%増となりました。売上高は同19.6%増加しています。  しかし、2019年の同月比だと売上高は7.8%減少しています。2022年の既存店売上高は2019年比で8割の水準。コロナ前の水準に戻りません。  すかいらーくは100店舗の閉鎖を決定しました。現在、撤退を進めており、2022年12月末は3056店舗でしたが、2023年1月は2986店舗まで減っています。

かつての“強み”が通用しなくなった

 ガストは日本全国に店舗網を築きました。繁華街からロードサイドまで、様々な形態の店舗を出店しています。ガストは料理の品質が保証されているため、消費者は無目的でふらりと来店します。すかいらーくの強みはここにありました。  しかし、コロナ禍をきっかけとして消費者の意識が変わりました。外食や外出する機会が減ったため、無意識にレストランに立ち寄るシーンも少なくなったのです。  この傾向は地方都市の繁華街型店舗で顕著。内閣府地方創生推進室ビッグデータチームが提供するV-RESASで大宮駅周辺の移動人口の動向を調査したところ、2022年12月は2019年比で5%程度のマイナスでした。地方都市を中心に人の流れは戻り切っていません。  ここで不思議に思うのは、同規模の店舗数を持つマクドナルドの業績が好調な理由。実はマクドナルドもイートインの売上は2019年の水準まで回復していません。売上貢献が高い要素はテイクアウトとドライブスルーの2つです。
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生活様式の変化を受け止めたマクドナルド
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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