更新日:2023年03月09日 13:34
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“大量閉店計画”を進めるすかいらーく。苦境に陥った「3つの要因」

生活様式の変化を受け止めたマクドナルド

 マクドナルドも、ガストと同じく無目的型の来店(イートイン)の減少の影響は受けています。しかし、それをドライブスルーとテイクアウトがカバーし、更に売上高を底上げしました。  消費者は自宅や車といった閉じた空間で食事をするようになっていることがわかります。マクドナルドは、消費者の生活様式の変化の受け皿となりました。テイクアウトのメニュー構成とオペレーションが弱く、ドライブスルーに対応していないファミリーレストランには簡単に真似できません。

今後はコラボメニューが増える?

 すかいらーくは、意識的にガストに来る理由を作ろうとしています。無目的型の来店が減少したため、目的型来店でそれを埋め合わせようとしているのです。  その姿勢が全面的に表れたのが、2022年11月に発売を開始したガスト初のコース料理「感動ハンバーグコース」(1869円)。ミシュランの一つ星を4年連続獲得している「sio」のオーナーシェフとの共同開発で生まれたもので、ハンバーグにトリュフが香るポテトクリームを閉じ込めたという贅沢なもの。  この商品は2023年1月18日に提供を終了していますが、ガストは今後も集客力の強いメニューを開発し続けるでしょう。正攻法とも言うべき戦略です。  もし、ガストが中期的に集客力を取り戻すことができなければ、更なる店舗の撤退を行い、原価や経費を切り詰めるという、痛みを伴う改革を行う必要があります。 <TEXT/中小企業コンサルタント 不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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