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「偉い人に体を触られた」元宗教2世の女性が語る“性被害”と“毒親との絶縁”

プライドが高かった母親が宗教に入信

――そのつながりでもあるのですが、お母様が入信していた宗教について教えてください。ネットで調べてもほとんど情報が出てこない宗教ですね。 たまみか:あまり大きくない宗教なのかなと思います。教え自体は結構いいこと書いてあるんですよ。ただ、「先祖を供養することが幸せに生きる道」みたいな宗教で、先祖供養が大前提にありました。  両親は徳島県の山間部の人口の少ない村で生まれているんですよ。当時この地域では、障害を持って生まれた人は差別されていました。呪われているとか、祟られているとか、母親自身が欠陥みたいにいわれます。  母はプライドが高かったので、自分の子どもが障害を持って生まれてきたのが辛かった、というか認めたくなかったはずです。そういうときに、同じ障害者の親御さんから「こういう宗教があって、私はすごく救われたんだよ」と勧誘されて、「私が障害者の子どもを産んだのは、私が欠陥品でなくて、祟りでもなくて、ご先祖様を供養しなかったからなんだ」みたいに意味や理由を見つけたのかなと思います。すごくプライドが高かった母は、宗教を自分の中に落とし込み、そこで救われたと感じたんですね。

友達の誕生日に自分だけ呼ばれなくなる

宗教

※画像はイメージです

――お母様が宗教にのめり込んだことでたまみかさんご自身が経験されたことを教えてください。 たまみか:小学生の私は友達ができないタイプでした。でも、たまに友達になってくれる子がいて、その子と遊ぶと、私が学校に行っている間に母がその子の家に行って宗教に勧誘するんですよ。その宗教では勧誘を「お導き」といいます。  その子のおうちの方が他宗教でお導きを断ると、母は「せっかくお導きしてあげたのに断るなんて、もうあの子と遊んじゃあかん!」と怒りました。当然、向こうの親も「みかちゃんが来たら嫌!」となります。  友達のお誕生日会に私だけ呼ばれなくて、その理由は宗教に勧誘してくる親がいるからでした。それがすごく嫌でした。「私が作った友達なのに、お母さんはなんでそれを壊していくの?」とツラかったんですよ。
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「あなたのご先祖様は泣いている」
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家庭教師&ライター。アート、オカルト、教育を軸に、広く文化全般が興味関心の対象です。まじめに教材作成をする一方、サブカル、妖怪、アングラ、フェチなどに関連するイベントを取材します。水木しげる御大がお亡くなりになった年に「境港妖怪検定」上級合格、数少ない上級妖怪博士になりました。著書『がんばらなくても偏差値が10あがる中学生の勉強法70のヒント』、教育サイト「みみずく戦略室」、Twitterアカウント:@mimizuku_tutor

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