ニュース

「偉い人に体を触られた」元宗教2世の女性が語る“性被害”と“毒親との絶縁”

2人の兄との“複雑な関係”とは

――続けてお兄様についてお聞きします。上のお兄様は健常者だったという話でしたが、そちらは問題なく仲良くしていたのでしょうか? たまみか:12歳離れているから、兄のようで兄じゃないんですよ。私が物心ついたときには家を出ていました。兄は16歳で高校に進学せずに家を出ました。私と同じで、家にいるのがすごく嫌だったんだと思います。 ――下のお兄様は障害があったんですね。 たまみか:11歳年上の兄は知的障害で、5歳ぐらいの知能だといわれていました。だから、複雑な会話ができなかったり、衛生観念がなかったりという感じでした。暴力的で他害が怖かったです。  兄は「今やってほしくない」というときに限ってやってくるんですよ。うどんを持っているときに殴りかかられたり、宿題をやっていてもうすぐ終わるときに全部破られたりしました。兄は「今はやめて」という私の気持ちをわかってやっているのかなと思ったくらいでした。

病院にも行けず精神的な虐待も

たまみか

SNSで発信をつづけるたまみかさん

――たまみかさんがご家族から受けた虐待について教えてください。殴られて左耳があまり聴こえなくなり、小指と薬指も動かしにくくなったというエピソードは、かなり衝撃的でした。 たまみか:両親ともすぐに手が出るんですよ。両親自身も暴力を受けて育ったからか、「子どもは殴って当たり前」で、それがどんどんエスカレートしていくんですよね。たぶん本人たちも自分で止められなかったんだと思います。  暴力の他には無視が結構多かったです。私は子どものときから「なんで?」と思う、曲がったことが引っかかるタイプでした。「なんで私はこうしたのにこうなるの?」と筋の通ったことを私が言ったら、両親とも無視です。都合の悪いことは無視。こちらが真っ当なことを突きつけたら無視。 ――身体的な暴力だけでなく、ネグレクトも精神的なダメージが大きそうですね。 たまみか:病院に連れて行ってもらえないこともありました。それから、裕福でなかったので洋服や学用品を買ってもらえなかったし、入浴や歯磨きや洗顔などの習慣もつけられなかったです。これもネグレクトに入りますね。こういうのは気づかれにくい虐待です。
次のページ
プライドが高かった母親が宗教に入信
1
2
3
4
5
家庭教師&ライター。アート、オカルト、教育を軸に、広く文化全般が興味関心の対象です。まじめに教材作成をする一方、サブカル、妖怪、アングラ、フェチなどに関連するイベントを取材します。水木しげる御大がお亡くなりになった年に「境港妖怪検定」上級合格、数少ない上級妖怪博士になりました。著書『がんばらなくても偏差値が10あがる中学生の勉強法70のヒント』、教育サイト「みみずく戦略室」、Twitterアカウント:@mimizuku_tutor

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ