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16歳で東大に合格した男が「必要以上に群れたがる日本人」に思うこと

孤独の中でしか、人間は思考できない

グランドキャニオンへの1人旅を楽しんでいる筆者

グランドキャニオンへの1人旅を楽しんでいる筆者

 不安遺伝子保有率が8割を超える日本人は、世界で最も不安を感じやすい。そのせいか、孤独を恐れ、必要以上に群れたがる日本人は多い。 ・誰かと同じで安心する ・学校や会社、国に依存する ・人の顔色ばかり見て行動する ・外したくてもマスクをつけ続ける ・流行りの洋服や音楽だけ追いかける ・馴染めないと不安障害やうつ病になる  思考停止と没個性。人間は、1人でしか「思考」も「選択」もできないはずだ。それなのに、群れの中に紛れているうちに本来の「個」を見失ってしまっているのだ。  孤独は、孤独死から連想される、他者から拒絶される「寂しくて惨めなもの」ではない。孤独は『孤独のグルメ』から連想される、他者に本当の自分をぶつける「自由で堂々としたもの」だ。  僕たちは1人になって初めて、自分の眼で視て、自分の心で感じて、自分の思考で考えて、自分で道を敷くことができる。  当然、何か新しいことをすると、無視されることだって、失望されることだってある。でも、それは自分が道の最端に立っている証なんだから、自分の感性を信じて良いし、自分の慣性を誇って良いし、自分の完成を願って良い。  だから勝ち組は「自分」を信じ、負け組は「空気」を信じる。 「人間は、考えることは1人でしかできない。1人になって自分を見つめ直すことで人との繋がり方を見出すことができる。それを唯一可能にしてくれる孤独が寂しいんですか。僕の経験では『孤独は嫌だ』という人の共通点は本を読まないこと」(林修)

何も考えずに、ただ群れ続ける人生はやめよう

 周りを見渡せば、群れから離れて傷つくのが嫌で、多数決を美徳として生きている人がとても多い。しかし多数決で「改善」は起きても、「革新」は起きない。  ほとんどの会社・学校・地域・国が潰れる現代において、創造性を殺した無難な選択をしても、ジリ貧になるだけ。得点を決めるには、結局は、勇気あるエゴイスト1人に頼るしかない。  僕が起業するために独立したときも、1人だった。1人だったからこそ、独立的で、独善的で、独創的でいられた。だから「世界を巻き込む医療AI革新を起こす」という僕のビジョンには、多くの仲間・投資家・病院・提携先が惹かれ集まってくれた。それまでの1年8か月間の無給・無休生活はとても苦しかったが、僕は自分で道を敷いたことを一生誇りに思う。  何も考えずに、ただ群れ続ける人生はやめよう。希望は「感情」ではなく「意志」なんだから、一歩踏み出せば「なりたい自分」になれるさ。 「意志もまた、一つの孤独である」(アルベール・カミュ)
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孤独の中でしか、人間は成長できない
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1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
元引きこもりの僕が教える逆転の思考法


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